映画 吐き出したいだけ インプレッション

映画を観て感じた個人的な感想や考察を書き殴るポンコツレビュー

テイキング・オブ・デボラ・ローガン

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ほい、アルツハイマーの老婆がテーマってことで、まだヴィジットが記憶に新しくまた基地外婆さんの怖さを味わってみたくて借りた一本。

これは借りてよかった。好きな映画。満足。ヴィジットとはちょっと毛色が違うけどまぁ、それも雑だけどいい感じだった。

 

~あらすじ~

アルツハイマーの闘病生活をお金払うから研究のため撮影させてちょーだい。

婆さんがやばい。

婆さんがさらにやばい。 

 

 

 

トーリー・・・・・・★★★☆☆

設定・・・・・・・・・★★★★★

キャラクター(婆)・・★★★★★

 

正直この予告ムービーはつまらなそうだけど本編はちゃんと面白かった。

てか予告ムービーを見ないで観たほうがいい。

 

とりあえず始終婆さんのの不気味さと狂った時の壊れっぷりがよかった。

アルツハイマーなんだけどそれにしてもどこかおかしいというじっとりした気持ちの悪さに、家の中で録画された不可解な映像から昔町で起きた胸糞の悪い怪しい事件と絡んできて徐々に明かされる真実と加速する展開の中最後は見事にホラーで爆発してくれた。突っ込みどころは一杯あるけど本末転倒になっちゃうんで目を瞑って見れば素直に面白いと思う。リアリティのある不気味さが強くて徐々にホラー要素も絡んできて中盤ではそれがいい感じに混ざり合って新鮮だった、そこからラストにかけての王道的な畳みかけもハラハラしてよかった。なによりも婆さんが名演すぎた。手を洗われてる時の瞬きもせずじっちこっちを見つめてる時の表情がすごかった。今にも襲い掛かってくるんじゃないかって感じがハラハラする。何を考えてるのかわからないイっちゃってる感じがすごい良かった。

 

ホラー要素もちょっとチープだったけど個人的に好きな設定で良かった。

ポルターガイストやありえないような怪奇現象はホラー映画には無くてはならいものだけど、もはや定番化されててマンネリを感じる中でアルツハイマーというフィルターと先入観で、上手に「よくあるホラー」要素を隠してたのがよかったし、POV方式によるドキュメンタリー映画っていう形の入り方がさらにリアリティをだしててよかった。ハッとさせられた映画。

 

以下、ネタバレ、感想

最初はヴィジット的な感じを期待してたんだけど途中から明らかな心霊現象挟んできてんん?え?そういう感じ?ってなった、けどもそれも新鮮で面白かった。

思い返せばスコップを探したのも夜中いきなり土を掘りだしたのも電話交換機バチバチやるのもただ病気で訳も分からず突飛なことをやってたんじゃなくてしっかり理由があったんだと後半で一気につながるところが気持ちいいしそこでまたゾクっとした恐怖が煽れててよかった。

逆にストーリーの全体を思い返してみると、内容は単純に婆さんが悪霊にとりつかれて意思のある行動をとってただけなのに、そこにアルツハイマーって要素が入るだけでこんなにいろんなコワサが楽しめるんだなあと感動した。

単純にキチガイ行動→悪霊。を連想させずに間に病気をワンクッション挟んだことで婆さんのオカシサを違った角度で段階を踏んで二重に楽しめたところが上手いし面白いと思った。病気になって気の触れたキチガイのリアルで不気味な怖さと悪霊や呪術系の気持悪くも王道なホラー的コワサがいい感じにブレンドされてて楽しかった。

ラストの婆さんが蛇みたいな化け物に変化してるシーンもかなり衝撃的で前半のじっとりしたコワサの後にラストにかけての急展開と婆さん豹変っぷりでバッチリビックリ直接的なコワサもガツンともらえて飽きずに観れた。

 

ラストの終わり方もハッピーエンドとも見えかけて含みのあるじとっとした終わり方でよかった。

あれはやっぱり儀式成功しちゃって、白血病の娘が小児科(名前忘れた)にのっとられて不死になっちゃってことなんだろうか、でも「計画」はあるって言ってたからまだ儀式は完了してないのかな?蛇の婆さんに飲み込まれてた時に婆さんから乗り移られたのか?でもそうだとしたらなんで白血病は奇跡的に治ったんだ?とかいろいろ考えさせられる終わり方でよかった。

呪術、儀式系の悪霊は個人的に好きだからその辺も面白かった。

 

でも野暮だけど突っ込みどころも結構あった。

でも解決方法が死体を燃やすだけって...まぁ、土葬の文化圏ではそれでいいのかもしれないけど死体をただ燃やすだけでいいんかい!って思った。まぁ結局不思議パワーって燃えなかったけど...。

それにあの学者が紹介してくれた数ある呪術の中の1例がどんぴしゃりで適合しちゃってるのもなんか、おいおいそんな簡単に繋がるもんなのそれ?って感じで突っ込みたくなった。学者が紹介した呪いと婆さんがかかった呪いは理由も経過も別物の気がするんだけど解決方法は一緒なんかい!?って...

それとなんで死体は家で燃えなくて炭鉱で燃えたのかもいまいちスッキリわからん。

それに炭鉱の奥まで死体を持ってく描写がなかったから最後になって、え?それ持ってきてたの?ってびっくりした。

だったら婆さん追っかける前にさっさと死体燃やせばよくない?って思うけどやはりそこは謎パワーがあって燃やせなかったんだろうか…

あと警察官も婆さんに手錠なんてかける前に子供の方をさっさと保護しろよと思った。無能か!?そしてリンダの無駄死に感が半端ない。作中で一番かわいそうな人だと思った。次にかわいそうなのが目をつぶされた警官。

 

まあでもそういうの差っ引いてもアルツハイマーのPOVのドキュメント映画方式によるトリックで、リアルなコワサと王道なホラーがミックスされてよかった不気味さと気持ち悪さと驚きが楽しめてよかった。

 

10点満点中・・・・・8点!!