映画 吐き出したいだけ インプレッション

映画を観て感じた個人的な感想や考察を書き殴るポンコツレビュー

地下に潜む怪人

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はい、タイトルから漂うB級臭につられてホイホイ借りてみたんだけど、ところがどっこい普通に面白いちゃんとした映画だった。

内容は賢者の石の研究をしていた父の遺志を継ぎ、娘のスカーレットが撮影クルーと一緒に賢者の石を手に入れるためにパリのカタコンベ(地下墓地)へ行ってそこで様々な超常現象が起こってあら大変!って感じ。

考古学的な謎解きやギミックも結構あってインディジョーンズをホラーにした感じでその辺が新鮮で面白かった。謎解きのワクワクとそこから起こるオカルト的な展開が良かった。地下墓地の狭くて鬱屈とした雰囲気や次々と起こる超常現象に追い詰められてパニックになっていく感じとかハラハラしてていい。

前半は徐々に奇妙な現象を小出しにしていって、たまってきた不気味さや焦りと違和感を、後半のテンポの良さと勢いで爆発させて、バァーッと逃げ切ったような映画だった。突っ込みどころは一杯あるけどあれよあれよとラストまで目を離せない映画だった。細けぇことはいいんだよ。と。考古学的な要素と賢者の石とカタコンベのオカルト的な何かで全部起こった不思議現象なんでしょ?ってことで、とりあえず弱火でじっくりあぶって出てきた不気味な雰囲気と香りを圧倒的な急展開で蓋をしてなんとか逃がしませんでしたって感じ。

 

この映画は絶対にこの「地下に潜む怪人」とかいう糞みたいな邦題で損してる映画だと思った。

原題は「AS ABOVE,SO BELOW」で、直訳すると「下にあるものは上にあるものの如く」とかそんな感じらしく、映画の中でも「下でもなく上でもない~」なんてキーワードが出てきたり、密教錬金術に関係する言葉であるらしく、映画の内容ともちゃんと接点あるし、ラストシーンの演出や設定でも表現されててかなり大事なワードで、パッケージもパリと地下のカタコンベを上下反対のデザインでセンスある感じになってるのにどうしてそれが「地下に潜む怪人」になってしまうのか!?そもそも怪人らしい怪人なんて出てこないし、邦題をつけた人はちゃんとこの映画をみて邦題つけたのだろうか?と疑いたくなるレベルで適当でやっつけな邦題だなあと思った。まだ「謎解き化け屋敷」とかのがいいんじゃないかってレベル。 

 

~あらすじ~

カタコンベに賢者の石の秘密があるらしい。行くぞ!

でれぬ!

タスケテ! 

 

ストーリー・・・・★★★☆☆

キャラクター・・・★★★☆☆

設定・・・・・・・★★★☆☆

ワクワク・・・・・★★★★☆

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

カタコンベっていう古くて狭い地下の空間に、炎上する車とか現代的なものがでてきてその異質さがなんか新鮮だった。

犬神家みたいになるシーンもどうしてそうなるのか意味が分からないけどとりあえず不気味だった。狭いところ通ったり水の中に入らなければいけなかったり個人的に手に汗握るシーンも結構あって面白かった。

恐怖の実体というか、親玉的なものを出さないことで漠然とした恐怖というか、気持ち悪さがでててよかった。登場人物のトラウマや罪悪感に起因した超常現象が起こるのも面白かった。悪い奴は罰する!!みたいな。だけど後半のマントかぶってる奴とか石の怪物みたいなやつとかはさすがに一気に方向性が変わったというか、意味が分からな過ぎた笑だけど意味が分からな過ぎて逆に怖くなったような気もした笑

それだけカタコンベの深い階層にもぐりこんで、ゲームのダンジョンの階数が上がりすぎて周りの敵キャラがやばい奴らだらけになってきたっていう感じで理解はできなくもないけど。

まぁでも全体的に謎解きをしながら怖いダンジョンを攻略してどんどん奥へ進みながら(次は一体どんな展開になるんだろう?)てワクワクしながら見れた。

偽物の賢者の石で傷が治ったり、一人で石の部屋まで往復できちゃったりオイオイってあるところも結構あったけどそういう部分はなあなあ済ませられるくらいは面白かった。後半はほんと力技というか…え?え?みたいな感じでラストまで突き抜けて行っちゃってついてついていけなかったけど逆にそれがよかった。

ラストの終わり方もまぁ、それぞれがトラウマや罪悪感を克服したことで許されたというか、あのオカルト空間から脱出できたってことでまぁすっきり。

マンホールから出て逆さまのパリに着地するのも不思議で面白かった。

 

とりあえず細かい演出とか良かったけど、設定は大味な映画だった。

ホラーに関しては細かい設定や理屈は多少寛容でいいと思うし、自分は楽しめた。

 

10点満点中・・・7点!!

 

 

地下に潜む怪人 (吹替版)