映画 吐き出したいだけ インプレッション

映画を観て感じた個人的な感想や考察を書き殴るポンコツレビュー

何者

キャストが全部好きだったから観てみた。

なんか若人たちの人間性での殴り合いという感じ。

佐藤健のイケてない感じがなんか新鮮だったし、上手だった。

 

これ観て思ったのは自分がこの映画のメインターゲット層ではなく、登場人物たちの抱える立場や悩みの瑞々しさについていけないというか、流石にもうこの時期は去っておっさんになってるかなぁという寂しさというか悲しさというか30間際を改めて自覚させられるような衝撃を受けた…

ただそれだけに20代前半〜中ば位の人が観ればドキッとした人達は多かったんじゃないかな。

 

就活をテーマに「内定」という言葉に追い立てられながら多様な生き方や価値観の間で日本社会の波にもまれる若者5人の人間性や人生観がぶつかり合い、若者の中に醸成されていく寒くて痛々しい価値観やドス黒い感情を抱えながらも各々がもがき彷徨い自分と現実に折り合いを付けようとする鬱屈した様子が描かれていて、SNSを介して表現したりと、とにかく時代を捉えてて、刺さる人にはグッサリいくと思うし、割と若者全般をドキリとさせたり、共感させたりはしたんじゃなかろうか…

タイトルの「何者」っていうのもいいなと思った。

が、おっさんの自分がこの映画を観たところで、今更何者にも変われはしないのだ…涙

 

 

最後のリカとタクトが互いのパソコンとプリンターを貸しあって、気まずい雰囲気になり、そこからはじまるリカの独白からの畳み掛けるようなラストは良かった。

前半からちょいちょいひっかかる気持ちの悪さや違和感が一気に醜く昇華されてカタルシスだった。

別にどんでん返しって訳でもないけど、オチをそこに持ってくるのも、勢いよくうわーって感じるままに流されてよかった。

ミヅキが例のアカウントを知っていたのも、有村架純天使かよ!ってテンションあがって良かった。

 

 

終わり方もいい感じだったと思う。

ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。

皆幸せとか都合がいい訳でもないし、ただ厳しい社会やそれで歪んでしまう人間関係や多様化する思想を、まだまだ感受性豊かで独り立ちしなければならない追い込まれた若者たちにぶち当てて散らばしただけって感じが伝わってきて良かった。別に正解がコレだとか何がダメだとかそういうのも示さないでただ投げかけるだけのスタイルが逆にインパクト残してると思う。

とりあえずこの映画は、自分の生き方や考え方とかをもう一度問い直させるようなメッセージ性があったかなと。そうやって自分のことを見つめ直すきっかけになっただけでも観る価値はあると思った。

 

7点!!!

 

 

余談ではあるが、菅田将暉×有村架純といえば「花束みたいな恋をした」もあるが、あっちは爽やかで切ない感じだけど、こっちはじっとりした空気の中食道でハッカ飴舐めさせられるような感じ。

 

どっちも良い。

 

有村架純の他作品で言えばフォルトゥナの瞳は微妙。

佐藤健の他作品なら世界から猫が消えたならも微妙。

ただ映像はめっちゃ綺麗だった。

 

以上!