映画 吐き出したいだけ インプレッション

映画を観て感じた個人的な感想や考察を書き殴るポンコツレビュー

メッセージ

 

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ほい、今日もSF。原作は読んでないけど映画から見てみた。

上品で大人しめの美しいSF映画

 

~あらすじ~

突如謎の宇宙船襲来

文字を覚えてコミニュケーションだ!

バイバイ!

 


映画『メッセージ』本予告編

 

ストーリー・・・★★☆☆☆

設定・・・・・・★★★☆☆

キャラクター・・★★★☆☆

 

うーん、これは・・・なんだろう。

多分原作読んでない人はSFでエイリアンものだからよくあるエイリアンの不気味な演出とか宇宙船のものすごいテクノロジーとか、エイリアンと人類が争ってどきどき原腹の展開の中危機一髪で人類の勝利!的な内容を想像、または期待して見るかもしれないけど、全然そんな内容ではない。

内容的には言語学者である主人公がエイリアンとコミニュケーションをとるためにエイリアンの文字を解読していくんだけどその過程でエイリアンの考え方と言うか思想的なものまで徐々に理解していくというか...その過程で冒頭から仕込まれてる主人公の娘に対する謎が深まり最後には伏線を回収して、ひいては地球に襲来したエイリアンと一触即発気味の人類をも救う的な感じなんだけども...

 

多分この映画のメインテーマと言うかメッセージ的なものは主人公1人の意識の変化で完結してる。主人公の心象と人生観の変化を冒頭からの伏線や時間的なトリックを使って斬新に見せていってラストで衝撃と感動を与えるような骨組みだと思うんだけど、その材料として入っているSF要素に見事に食われているというか...

そりゃあSFで映画ともなるとエンターテインメント性も持たせてお客さん呼び込まないといけないから致し方ない部分はあるよね?みたいな。

メインテーマだけだと長い映像作品で間が持たないというか、画的にもインパクトが足りない感じだからエイリアンだすならやっぱよくあるSF的なエイリアンVS人類!?見たいな内容で引き込みたくなっちゃうというか...

だけどそのワチャワチャした壮大な世界規模の緊迫した問題と、静かに一人で完結していく主人公の物語とでギャップがありすぎるというか、温度差ありすぎてちぐはぐと言うか噛み合ってないというか...

ストーリー的にも散々引っ張って結局、さぁここで人類がエイリアンに攻撃しかけます!!どうなっちゃうの!?的な感じで盛り上げたところから特に派手な展開もなしに主人公が自己完結(完結の仕方も特にアクションを起こすわけでもないところがそれがミソなんだろうけど展開的に肩を透かされた感じがしてしまう。)してフッと終わっちゃうような形で、意味深な単語や伏線を張って期待をこめて拳を振り上げた状態でラストを迎えるも、そのまま拳を振り下ろすことなく終了。右手を上げたままエンドロールが流れ始めてしまうような展開。

その壮大なスケールだけどもあっけなくてモヤモヤする幕引きに対する衝撃と、ラストでの主人公の胸中や感動的な決意が静かに美しく表現されてるんだけどその2つが同時に起こるから、視聴者的にもどっちに気持ちを落としていいか瞬間的に判断できずに戸惑うというか、焼肉食べ放題するつもりが、すごい高級で上品なステーキを一切れ出されたような感覚になった。

見終わった後にすっきり気持ちよくなれるわけでもないし、胸に後を引くようなものがドンと残るわけでもない。

 

でも原作のテーマやメッセージ(原作の内容は大雑把に人か聞いた)を汲んでなお且つエンターテインメント性のあるSF映画にしようとするとこれが限界と言うか、違和感はあるものの上手にすり合せたねって思える。頑張りました感はすごい感じた。

映像はすごい綺麗だったしサブリミナル的に美しい思い出を流してくるような演出も面白かったし引き込まれた。あえて直接的に表現せず風景や音にこだわった情緒のあるシーンで伏線の謎を維持しつつ母の心情を表現してるような気もして面白かった。

 

ただ原作の内容を聞くとどうもチャイナマネーでによる内容の改変で失敗しちゃったような気がして残念。

 

以下、ネタバレ、文句、突っ込み。

 

「未来予知」って単語は良くないと思った。

未来でシャン将軍?に携帯電話の番号を見せてもらうシーンもなんかミスリードだと思った。あそこで主人公が「え?私電話してないです。」って答えてて「この番号を見る必要があるはずだ。」なんて言って電話する内容と番号教えて立ち去るってことは電話してない過去があったってことだと思うし、そこでシャン将軍に電話するように促して意図的過去の改変、ひいてはそのまま未来の改変をしてるよね?

それって主人公が最後にかっこよく決意した、どんな未来でも受け入れて生活する!って考えと矛盾してない?

そりゃあそういう時間トリック的なの使って難を逃れればかっこいいかもしれないけど、主人公の強くて美しい決意みたいなもの(それが作品の軸じゃないの?)の美しさが際立つのを邪魔してる気がする。しかもラストの場面でポンポンとこの2つの出来事が立て続けに起こるからちょっと、んん?って引っかかった。

 

あと尺の配分的には伏線をまく意味でも丁度いい演出と内容だったかもしれないけど、主人公が娘と過ごす時間や娘に対しての愛情をもっと強調できないのかなぁと思った。それによって最後の主人公の選択に対しての感動の度合いが変わってくると思った。

だけど娘のシーンは本当に綺麗な映像で美しく表現されてたから、それだけで主人公の娘に抱く気持ちも伝わってきたし、あれはあれでよかったのかも。

 

まぁ、原作ありきで考えれば表現したいことはなんとかしっかり表現できたって感じの映画なんじゃないんでしょうか?

正直原作の評判を聞いてなかったらストレートにオチが糞過ぎてうんこって評価になってたかも...。

 

10点満点中...5点!