映画 吐き出したいだけ インプレッション

映画を観て感じた個人的な感想や考察を書き殴るポンコツレビュー

ヴィジット(THE VISIT)

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二人の姉弟が、離婚し生活がいろいろとうまく行っていない母のために、母が駆け落ちする際に喧嘩別れしてしまった祖父母に会いに行き、そこで母と祖父母の確執を無くすための「許し」をビデオに収めるため、祖父母のもとに1週間滞在するって内容。

普通に面白かった。見た後も結構印象に残る映画だった。

仲のいい姉弟が自主制作の映画を撮るって名目でPOV形式。

構成も一貫してて、エンドロールでなるほどってなる人もいるかも。

滞在先の祖父母の異様な言動や行動、雰囲気、それを隠すようなふるまいとかが気持ち悪い。

すごく人柄のいい祖父母で姉弟も好きになろうとしてるんだけど、やっぱりどこかおかしい…そんな疑念と違和感が日を追うごとに確信に変わっていき、衝撃のラストへ~って感じ。

 

しっかり者の姉ちゃんと、お調子者の弟が、異様な雰囲気の祖父母の家で、なんやかんやありながら、両親の確執に囚われている母を救おうとする中で、母親の離婚に対するそれぞれのコンプレックスやトラウマを克服する映画だった。

95%のホラー・スリラーの中に5%ぐらい人間ドラマを混ぜて一応ストーリーを整えましたって感じだった。

とりあえず映画は当たりだと思う。不気味で気持ち悪くて、ハラハラドキドキ面白かった。

個人的におばあちゃんのインパクトが8割の映画だった。

 

~あらすじ~

じじばばのところに始めてのホームステイ!

映画にするで~

タスケテ!!


映画『ヴィジット』予告編

 

トーリー・・・・★★★★☆

キャラクター・・・★★★★★

設定・・・・・・・★★★★☆

おばあちゃん・・・★★★★★

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

とにかく不気味で気持ち悪い。

祖父母のおかしなところも最初の方はまぁ、娘とうまく行かなかったり、仕事柄ストレスがたまりやすくてちょっとおかしいところがあっても…みたいな感じだったけど、徐々に徐々に異常な行動が激しくなっていって不安感をすごく煽られた。

 

個人的に第一印象がすげー美人で感じのよかったおばあちゃんの豹変っぷりにガツンとやられた。印象に残ったシーンもほぼおばあちゃんのシーンしかない。

縁の下のかくれんぼで暴れ馬のごとく突如出現したシーン(あれは最初ただのノリが異常にいいだけのパワフルおばあちゃんかと思った。笑)に始まり、夜中の廊下を獣のように四つん這いで走り回ったり、全裸で壁を引っ搔き続けてたり、とにかく気持ち悪かった。

壁に向かって笑いつつづけて、「暗闇さんを洞くつに閉じ込めるには笑ってないといけないの。」ってセリフもイッちゃってて気持ち悪かった。美人なのに。

ボードゲームをやっててじいさんがくそを漏らしたときにクッキーバリバリ食べだして「ヤッツィーーーーーー!!!」って狐のポーズで叫ぶシーンも狂気感でてて面白かった。

あとは姉ちゃんが、狂ったばあさんがいる部屋に閉じ込められちゃうのもドキドキした。猛獣とか怪物がいる部屋じゃなくて、狂った老人の部屋だからとにかく何をされるのかわからなくて怖かった。

 

母とのスカイプで「そこの二人は誰?」って言われた時のサーッと血の気が引く感じもよかった。

ラストシーンは、姉は鏡、弟はラグビーのタックルで状況を打破してて、それぞれがずっと胸に抱えていたコンプレックスの解放からの決別で熱い展開だった。

 

構成的には、カメラ2台?使ったPOV方式で、日が変わるごとに何曜日なのか赤字で出てきて、最初違和感を覚えたんだけど、水曜日くらいでやっと(あ、これ姉ちゃんがとった映像を編集したやつだ)って気づけたんだけど、逆にそれでこの姉弟は死なないんか…と、ちょっと緊張感なくなった。

エンドロールでは、姉の発言通りの手を重ねるシーンにそぐわない音楽の演出や、弟のラップで、してやったりこれは最初から1本の姉の自作映画だったんだぜ。って感じを出してる。また離婚して家を出て行った父親の姿を流したり、鏡を見ながら髪を整えている姉の姿や、弟のラップの内容から、姉は父親に対する怒りや、自分に価値がないと思い込む傾向、弟は潔癖症、母の離婚から生じたそれぞれのコンプレックスやトラウマを克服し、成長できた様子を映していて面白かったし、不気味で後味の悪い内容と唐突な終わり方だっただけに、エンドロールでの二人の成長と弟のコミカルなラップでアフターケアになっていてよかった。

…にしてもこの二人メンタル強すぎィ!!!ふつうこんな事件を体験したらトラウマになるというか逆に精神病患って廃人コースでしょ。まぁ、強引にタフネスハッピーエンド。

ホラー映画にありがちなPOV方式だったけど、この映画の場合POVだから怖さや切迫感が増すというシーンはそんなに多く無くて、ほぼエンドロールでの種明かしと、二人の成長を見せて無理やりまとめるためのPOVだった。

別にあってもなくてもいいような設定だったけど、まぁ気分の悪い内容の映画だっただけにチープなギミックを挟んで最後を明るい感じで締めくくってくれるのはよかったと思う。作中もずーっと二人の兄弟を映してるからやっぱり多少感情移入する部分はあって、そんな二人がラストも楽しそうにしてて視聴者的には救われた気分になれた。

 

~突っ込みどころ~

・予告の3つのルールはほぼ関係ない

・ばあさんの部屋にカギ付いてるならじいさんは毎日ちゃんと鍵かけてばあさんをとじこめろよwww

くらい。

 

なんだかんだ一番印象に残たシーンは、おばあちゃんが縁の下のかくれんぼに乱入してくるシーン。

あそこが一番意味わからなくて怖かった。し、面白かった。唐突すぎて衝撃だった。

 

 

やはり真に怖いのは化け物や幽霊ではなくてキチガイの人間。

とにかくいい感じにテンポよく不安感、恐怖感、気持ちの悪さを煽られた後ラストのドキドキ脱出劇。からのちょこっとアフターケアもしてもらえる面白い映画でした。

 

10点中…8点!!

 

 

君の名は。

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新海誠さんが好きで気になっていたのでつい映画館まで行ってしまった。

劇場で観た映画のレビューは初。

 

~あらすじ~

なんか入れ替わった!

え?会えへんの?

彗星やばい!!!

若い男女の不思議で切ない青春を、美しい作画で引き込み、仕掛けのある設定で盛り上げる 素晴らしい映画だった。恋愛だけじゃなくてSFもしてた。

 

やっぱり新海誠さんの作品だけあって背景が超きれい!

人物もぬるぬる動く。

物語の舞台が飛騨の田舎町と、東京の2か所になってるから、田舎の自然と東京の街並みの両方を新海さんならではという感じで綺麗に表現していてすごかった。

タイムラプスをそのままアニメにしてたところもすごい綺麗で迫力があった。

光の使い方もすごい綺麗でした。

 

内容はただの男女入れ替わりの恋愛ストーリーかと思いきや、思わぬギミックが入っていて、時空を超えた超絶ロマンチックなストーリーで感動できた。

RADの挿入歌も盛り上がった。けどもうちょっと控えめでよかった気がする…。

主人公にはあんまり感情移入できなかったけどキャラクターも魅力のある人が多くて面白かった!

前半のほのぼの楽しい感じからの後半の切なさとドキドキとハラハラで終始楽しめる映画でした。

 


「君の名は。」予告

ストーリー・・・・★★★★☆

設定・・・・・・・★★★★★

キャラクター・・・★★★☆☆

美しさ・・・・・・★★★★★

 

以下、感想、文句、考察(ネタバレ)

 

なんか細田守によせてきた感じでソフトで爽やかだった。

まず最初に印象的だったのが、OPがあったこと。

がっつりRADの歌に合わせてOPっぽいの始まってて面白かった。

なんか意表を突かれた感じだけど、あれはあれでかっこよかったし、いいんじゃないかな。 

 

始まってすぐにもう瀧君が三葉として入れ替わっているところから始まるんだけど、お互いが入れ替わっていることを認識して、それを受け入れてそれぞれがお互いを尊重して生活していこうとする様子がテンポよく流れてて見やすかった。

 

三葉サイドの糸守の町が映画の主な舞台というか、物語の核となる場所だったんだけど、糸守では田舎でほのぼの男女が仲良く高校生してる感じが和むし、皆の訛りがなんか心地よかったり、妹はかわいいし、てっしーカップルもかわいいし、神社の家系で糸守の言い伝えや儀式とか意味深なワードもでてきて、そういう情景をまた新海誠の美しい描写で描かれるからたまらんかった。組糸の作ってる時の焦点ずらしていく感じとか、神社の水の流れてるところとかの表現がすごい良かった。ご神体のある山の風景もすごくきれいだった。

東京サイドは男子高校生の絡みが温かかったのと、先輩がかわいかった。

飛騨までついてきてくれる先輩と司君も優しくてよかった。

後は電車やビル群、雨で濡れたタイルに反射する光とかの描写が綺麗だった。

 

設定も実は3年の時差があって、しかも三葉の方は死んでましたってのが面白かった。

瀧君もあれだけ糸守の風景や人間に愛着も沸き、三葉への本当の気持ちに気付いた矢先に衝撃の事実が発覚し、どうしようもない現実に打ちのめされる感じがよかった。

瀧君のデートが気になって実際に東京まで会いに行く三葉が、3年の時差があるためにまだ自分を認識してもらえず、髪に巻く組紐だけを渡して帰るってのがまたたまらなく切なかった。この時の電車の中での「名前は~!」ってやり取りが冒頭のシーンと繋がってて、実はやっぱり前から知ってたんだよってなるのが面白かった。

瀧君も三葉を覚えてはいなくとも、しっかりと組紐だけは大事に腕に巻いたりとっておいたのがまたイイというか、運命的というか、繋がりを感じるよね。

 

一番印象に残ったシーンは、やっぱりそんな二人が初めて面と向かって出会えた黄昏時の尾根のシーン。

声だけは聴こえて、お互いの存在を感じてはいるけど見ることはできない状態で、

山の端に消えそうな夕日の光をバックにお互いの手が空を掴むシーンはすごい切なくてよかった。ここから夕陽が沈んで黄昏時になった時にパッと二人が出会える演出がまた憎い。黄昏時=誰そ彼時=逢魔時そういえばこんな授業やってたなー!なんて、この瞬間に二人が会えたのも読んで字の如くで、なんとなく納得してしまういい演出だったともう。とにかくこの摩訶不思議タイムで二人が時空を超えて再開できたのがすごいロマンチックだし、背景の橙色から藍色に染まっていく空やらたなびく雲やらがいい雰囲気だしてた。忘れないようにお互いの名前を手に書こうといって、三葉がタキ君に名前を書こうとした瞬間に黄昏時が終わって、唐突に三葉が消えてマジックが虚しく地面に落ちるシーンも切なくてよかった。それに、お互いがお互いの名前を忘れないようにするんだけど、どうしてもやっぱり忘れてしまって、それに絶望したり、大事なものを忘れないようにするために必死に奔走する二人の姿が切なかった。それでもやっぱり互いの名前も記憶も消えて行ってしまう無常さがまたたまらなく切ない。胸が苦しくなる。

その後もお互い何かをずっと探し続けている感覚だけを残して東京で生活してて、歩道橋でニアミスしたり階段ですれ違って振り返っても、また戻って歩き出しちゃったりもう最後までオイオイオイ!また秒速5センチメートル的なオチかよおい!って胸を締め付けられながらもハラハラヒヤヒヤドキドキできてよかった。今回はタキ君も三葉もしっかり再会できてハッピーエンドで気持ちよく終われてよかった。あれだけ糸だの縁だの結びだの言っておいたんだからそれ最後はしっかり結ばれないと困るよね。

これでもう夢から覚めた後勝手に涙が出てた。なんてこともなくなるでしょう。

てっしーカップルが結婚の話ししてるところも和めてよかった。

 

とりあえず前半はテンポよくほのぼのできて、中盤からラストにかけて二人の再会と彗星からの避難で大きく盛り上げて、その余韻を残しつつその後に二人はもう一度再会できるのか?って静かに盛り上げてスゥーッと幕を引く流れがよかった。

1度目の時空を超えた再会、と彗星からの避難、と8年越しの2度目の再会と、見所を叩き込んでくるからなかなかに感動できた。

過去や未来が変わったりして、夢か現かわからないけれど、一方通行のファーストコンタクトと、それから3年越しの再会、あったようでなかった、なかったようであった二人の出会いを、互いに記憶を失いながらも共有しつつそこから5年越しにまた再会するというこのロマンチックさ。なんなん!?

とりあえずいい感じにハートをボコボコにされたあと優しく抱擁されるような感じのいい映画だった。

 

そして、いくつか謎なシーンがあった

なんで三葉とタキ君がどうして時を超えて会うことができたのか…

これはタキ君が三葉の口噛み酒を飲むことで、作中でも口噛み酒は三葉の半分といっているように、タキ君の中に三葉の魂?的なものが入って三葉は再びタキ君に入ることができた。でいいのかな。ご神体のある場所はあの世って言ってたから、そこで冥界なのか時空なのかわからんけどなんか超越して三葉さんカムバックしたのかな。

今度はタキ君が何で過去の三葉の中に戻れたのかなんだけど、これもやっぱり口噛み酒で三葉の存在がタキ君の中で強くなったっていうのと、腕につけてた三葉の組紐がトリガーになって戻れたって事でいいのかな。戻る時の演出ももやたら組紐強調してたし、戻れたタイミングがちょうど三葉がタキ君に組紐を渡した次の日っていうのも関係あるような気がする…。

ばあちゃんも糸と結び。糸は時間で、食べることは結びでもある。とか言ってたからなんとなくカスってる気がする。

時間を超えて会えたのは誰そ彼時様様ってことで。

 

なんで急に三葉と入れ替われなくなったのか…

なんか三葉が彗星で死んじゃったから入れ替われなくなったみたいな流れだったけど、3年前からずっと死んでたんだから急に入れ替われなくなるの不自然じゃない?

年は違うけど日付だけリンクしてたんならわかるけど、単純にその辺を見逃してただけかも…季節も一緒だったもんね。

 

そもそもなんで入れ替われたのか…

これはご神体の祠の天井に書かれてあったように、糸守には1200年前に彗星が落ちて湖ができた過去があって、次の彗星に備えて、神社で家系である宮水家の巫女は代々何年か時差をつけて他人と入れ替わる能力ができたってことでいいっぽい?

ばあちゃんが、「ばあちゃんも三葉の母さんも誰かと入れ替わってた時があった」って言ってたもんね。

ここで入れ替わる相手がなんでタキ君だったのかは謎だけど。

 

まぁこれくらい、あとは入れ替わるときに鐘の音がゴォーーン!!ってなってるような時が最初と最後の方のと1回ずつあったと思うんだけど、その演出の意味とかタイミングが1回見ただけじゃようわからんかった。

 

 

 

 

次は突っ込みどころと不満点。

 入れ替わってることがお互いわかった時点ですぐ電話なりメールなりで連絡を取って実際に会ってみるという発想はなかったのか…そうすればもっとはやく時間差のからくりに気付けたんじゃなかろうか…野暮いか。 

 あとご神体までの服装が軽装すぎないかと思った。結構な登山だと思うけどあれで大丈夫なんか。再会するシーンの三葉なんて制服にローファーで登ってたぞ。

しかも日が傾き始めてから自転車で町を出発して、日が暮れる前に山頂に着くとかあの距離的に絶対無理だろwwwまぁ話のテンポと盛り上がり、演出を考えたら致し方なし。切迫感大事。

 あとは挿入歌がちょっとうるさすぎた。

盛り上がるっちゃ盛り上がるけど声入りはOPとEDだけにとどめてくれたほうが個人的にはよかった。挿入歌入れたシーンはもっとなんか別の音楽入れたほうが感動できたと思う。悲しい音楽でも穏やかな音楽でもどんな音楽入れてもあのシーンは印象的になっただろうし、あえて歌を入れるのがちょっとう~んって感じだった。歌を入れるなら無音でもいいくらいだと思った。RADは好きだけど。ちょっとくどかった。 

 

 総評。

とにかく切ない。そしてその切なさを描く美しい背景や作画がより切なさを強調して、独特の雰囲気をだしてる。

中盤からラストまでの引き付け方が上手い。

不満は挿入歌がちょっとうるさいくらいしかなかった。

 

無数の尾を引いて落ちていく2つに割れた彗星が、時間と場所を超えて2人の人生をさながら糸のように絡まり合わせて最後は綺麗にに結ぶ。

奇跡的で運命的で超ロマンチックなSF映画で面白かった!

けど見終わった後になにかずっと胸に残る物がある感じではないけど、とりあえず面白かった。芸術点高い。

 

10点満点中・・・・9点!!

 

オートマタ

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 TUTAYAの新作コーナーから適当に借りた1本

2045年に起こるとされてる技術的特異点?にちなんだ映画らしい。

 

あらすじ

もぐりの技師が会社のロボットいじくってこのままじゃ会社やばい!

なんやロボットの第2プロトコル消されてるやんけ!やばい!
なんか会社から裏切ったと思われて命狙われてる!やばい!

ロボットに助け求めたらなぜか砂漠に連れてかれた!やばい!

もぐりの技師はおまえやったんか!!やばい!

娘産まれる!やばい!

 

世界観は結構作りこまれてた感じがする。

家庭用ロボットを利用した保険詐欺とか人工雲、汚染された雨、サイバーパンクな街並み、容赦のないスラムキッズとかいい感じにSFしてた。

だけどこの映画はそいう近未来物にありがちなロボット倫理とか違法アンドロイドとか環境問題とかは全部軽く触っただけで、半分くらいが主人公とオートマタの砂漠サバイバルと会社の殺し屋とのバトルで、いろいろと漠然としてた気がする。あまり感情移入できるキャラクターがいない。主人公度は主人公4、ロボット6くらい。

大局的に見れば主人公は人類ではなくロボット。のような映画だった。

前半はSFチックな世界観に引き込まれる。

後半は制限のなくなり無限に進化が可能になったロボットの心境や目的が気になる映画だった。

 


映画『オートマタ』特別映像

 

・ストーリー・・・・★★☆☆☆

・設定・・・・・・・★★★★☆

・キャラクター・・・★☆☆☆☆

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

 

なんか人工知能をめぐって会社の体裁やら人類の存続を守るための汚いやり口や人対人の駆け引き、その最中に妻の出産と娘の誕生があったりしたけど、結局人工知能はそんなの関係なしに、最初から最後までただやりたいことをただやってました。ってだけな気がした。各所で起こる局面が噛み合わないせいで全体的にぼやけてよくわからない内容だった...。

 

ポジティブに解釈するなら、人間は自分の立場や命を守るために他人を殺したり卑劣な手を使ったり、醜く汚いところもある反面、家族を作り、命を育む愛ある生き物であり、そういった人類の生き様を主人公、主人公の会社、主人公の家族の3点で表しつつも、人工知能を持つロボットたちはもっと高次元での意識を持って、これまでの人類とは違った社会を築き、種の繁栄を考えて生きていく。人間から作られ、そして滅び行く人間から自立し巣立っていく、時代の転換期を描いているってことでいいのかな。

それが作品のテーマ?である2045年問題にかかってくるという解釈で。

 

作中でもロボットが人類に代わって地球で生きていくって言ってるし、地球上を歩くのが人からロボットになっても、それが人類を含めた進化の形ということで。

ラストシーンはロボットを谷の向こう側の砂漠(未来)へ送り、人間である主人公は車で海(過去)へ向かった。未踏の大地をクリオが顔のパーツを捨てて歩いていくというのは、クリオが人類からの自立と個の意識を表明し、新たな時代へ踏み出した。逆に主人公が海をイメージしながら反対方向に車を走らせたのは、有機生命体の源である母なる海へと回帰、すなわち人類の時代の終わりを受け入れた。という風に感じた。

 

~印象的なシーン~

・スラムキッズが何のためらいもなく博士を銃殺するシーン。

 テンポのよさにびっくりした。

・顔面のパーツを炎にくべるロボット

 人間からの自立が感じられてちょっとグッときた。

・主人公が度々思い浮かべる海のシーン

 主人公の記憶なのか想像なのか謎だけど。なんか安らぐ。

・クリオ登場シーン

 顔がこわい

・クリオとのダンスシーン

 なんか感動的なシーンに見えてそこまで胸に来るものがない。画的には素敵だったけどなんか残念だった。

 

~突っ込みどころ~

なんでわざわざ家族を殺さずに車で連れてきたんだ?

いつのまに主人公足治ったんだ?

人工知能はあんな不思議生命体を作れる技術と知能があるなら環境問題解決できないのか?

 

とりあえずぱっと見おおざっぱな映画で、あんまりどきどきするアクションシーンもす多くなく、かといって感動する場面があるわけでもなく、感情移入するキャラもいなく、「お、おう」という感じで終わっていた映画でした。

 

10点中...3点!!

 

オートマタ [DVD]

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スナッチャーズ・フィーバーー喰われた町ー

 

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豚の被り物が不気味に映ってるパッケージと「町が何かに浸食されていく」というキャッチフレーズに魅かれて借りてみた。

POVのパニックスリラー

あとジャンル的には一応SFらしい…

徐々に明らかになっていく住民の異様な雰囲気や行動が、理解はできないけどとにかく不気味で気持ち悪い。そうやって引き込まれていくうちにドン!とインパクトのあるシーンを挟まれたりして面白かった。序盤は。

後半はよくある王道的な流れでひっちゃかめっちゃかわいわいやったり、突っ込みどころもいっぱいあるけど、地下の倉庫?のシーンはすごいハラハラした。

とにかく最初の方はかなり引き込まれる映画だった。

 

 

~あらすじ~

映画とってたらなんか周りの人たちがおかしい。

 

・ストーリー・・・・★☆☆☆☆

・キャラクター・・・★★☆☆☆

・設定・・・・・・・★★★☆☆

・不気味さ・・・・・★★★★☆

 

~見所~

・様子のおかしい住民の不気味さ

・異様な雰囲気で引きつけてからのびっくりシーン

・ガソスタ店員のスマイル

・真っ暗空間で出現する口紅お化け

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

まず文句。

なんか見ずらい!

POV形式ってことでリアリティを出そうとしてるのかもしれないけど、いちいち焦点ずらして 、前ボケ後ボケをぐだぐだとくどいくらいに多用してきて目が疲れるし、手振れも激しすぎてさらに目が疲れる。

もっと腹が立つのはPOVの中途半端さ。本当に手持ちカメラの映像で流してるところなんて序盤の方だけでそれも部分的で全体の量と比べてみればPOVになってるところなんて2割ぐらいしかないと思う。あとカメラを持って走って逃げるシーンとかではほぼ画面は真っ暗だったり、手振れで何も見えてなかったりで思わず手抜きかと思ったほど。

POVから伝わる臨場感や、ギミックなんかも全くない。同じPOV作品の、REC、ブレアウィッチプロジェクトヴィジットなんかと比べると本当にお粗末。なんでわざわざPOV要素を取り入れたのか謎。

以上。

 

でも物語の入り方はすごいよかった。

おかしくなった住人が皆顔を後ろに向けて棒立ちしてるのは不気味で面白かったし、ガソリンスタンドの挙動不審な友人や、トイレに出てきた双子とか、店員のニッコリスマイルとか(なんかよくわからないけどおかしい!)っていう気持ちの悪い描写をテンポよく挟んで、徐々に徐々に不安を煽って行くからすごい引き込まれた。

歯医者での様子がおかしい少女も(この子すでにやばいんじゃないの?)とか思わせておきながら「助けて、あの人パパじゃない」って衝撃のSOSをしてきて背筋がぞわっとしたし、その後のパパのニッコリスマイルもびっくりした。

悪魔の存在を意識させるような、夫がおかしくなったおばあさんの必死の演説と、それを聞いて仲間の一人がすでにおかしくなっている節があるんだと疑心暗鬼になったりするシーンはハラハラした。

ホテルのドアに謎の印がつけられてて、確実に周りには得体のしれないナニカがいて、たった数日の出来事にもかかわらず、そいつらに追い込まれていること意識させられたり、緊迫感もよかった。

ここまでは割と引き込まれた。

っていうかこの先はお酒飲んでたせいで一回寝ちゃった笑

銀行に入ったっところまでは覚えてるけど、気づいたらよくあるパワフルゾンビから逃げるような王道の流れになっててなんかもうどうでもよくなっちゃった。

それでも印象に残ってるシーンは地下室?的な真っ暗の倉庫で逃げ回るシーン。

位から携帯のカメラでフラッシュをたいて撮影して確認しながら進もうって事になって何度か写真を撮るんだけど、「奥のほうになにか写ってない?」「そんなことないよただの箱だよ」「いいからもっかい撮って」パシャリコ「ほらやっぱりただの箱だよ」「いいえ違うわお願いだからもう一回撮ってみて!」パシャリコ「なんだ、画像の表示が遅いぞ、壊れのたかな」「やっぱりおかしいわ!」(口紅女デデン!!!)「「ッファーーーーーー!!!!」みたいなシーンが怖かった。

 

いちいちカメラで撮らなくても携帯のライトで照らせば済むだろうがとか、いや携帯のカメラでフラッシュたいて写真撮ったからってそんな「キュィーーーン…バシュッ!!」みたいな音でねぇから!とかいろいろ突っ込みどころはあるけどまぁスルー。

 

とりあえずコレ絶対出てくるヤツだ!っていうお決まりのシーンなんだけどそこがバッチリ怖くてよかった。口紅女もイカれた口紅メイクが相まって怖い怖い。

そのシーンはよかった。だけどせっかく恐怖のボルテージが上がってるのに登場してすぐに別の仲間のシーンに変わっちゃってなんかテンポ悪かった。

豚の被り物した子供のシーンもちょっと不気味なだけでたいして面白くなかった。

 

オチはまぁ、気もよく終わって悪くなかった。

最後まで一緒に逃げ切った親友が実は乗っ取られてました。ってので暗転して

そこから序盤に出てきた友人とバスで再会した主人公もまた乗っ取られちゃってました。って気持ちよく終われててよかった。

それと作中でよく使われてた効果音もよかった。ラストシーンで主人公が笑うシーンでも鳴ってたけどあの「ヴッ!!」って音がまた不安を煽るというか気味の悪い感じがしてよかった。

 

という感じでそこそこに楽しめたけどこの映画は前半が見どころだね。

後半は勢いに任せて逆に失速したというか、王道なんだけど雑になった気がした。

豚マスクとか口紅女とかいろいろ不気味なキャラクターはいたんだからもうちょっと上手くまとめられた気がする。

 

ストーリーはほぼあってないようなもので、設定もよくわからんかった。(途中寝てたし)

「耳から菌が入っおかしくなる」とか作中のニュースで言ってたけど、それも政府が市民をパニックにさせないための嘘報道だってばあさんはいってたり、結局何が原因かもわからないし、おかしくなった人たちが何なのかもわからなかった。

作中では何回か「モンスター」って呼ばれてたけど。

そういえば映画のラストもたしかモンスターってロゴがデデーン!と出てきた気がする…

 

精神病とか人格障害とか悪魔とかいろいろ言ってたけど結局よくわからん。

後半あんなにワイワイやるなら、実は主人公サイドが精神病で街の住人は普通だったって落ちも匂わせたりしてもっと繊細に作りこんでくれても面白くなったと思う…。

それかせっかくだからもっと身近な人をおかしくなったような雰囲気を出して疑心秋にさせて恐怖感煽るとか、そこの駆け引きがあっても良かったと思う。

 

まぁとにかくよくわからんのである。

よくわからんけど、とにかく不気味な雰囲気や気持ちの悪さ。ハラハラとドキドキが伝わればいい映画って感じだった。

種類は違うけど、なんとなく残る後味の悪さというか、頭に残って離れない気持の悪さはブレアウィッチプロジェクトに似てる気がした。あれは前半ジリジリして最後のインパクトでドーン!って気持ち悪かったけど、スナッチャーズ・フィーバーは前半じっとり気持ち悪くて後半台無しって感じ。

とりあえず普通のSF?とはちょこっと毛色の違う雰囲気が楽しめる映画でした。

 

10点満点中…5点!

 

ファイトクラブ

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ブラッドピッドとエドワードノートンのダブル主人公。

ブラピ好きだから気になっていた映画。

見るまではボクシング映画かなんかだと思ってたんだけど全然違った。

男のロマンから現代社会へのアンチテーゼ、暴力、哲学、ブラックユーモアも詰まっていて、人生や生き方まで考えさせられるサイコでミステリーチックな映画だった。

 映像や演出もおしゃんだったしラストシーンの遊び心も面白い。

何よりブラッドピッドがかっこいい!!

そしてブラッドピッドの演じるタイラー・ダーデンのサイコ具合がたまらない。

とにかく伏線が多くてよくある設定だからわかる人なら半分くらい見たところで設定に気づいちゃうだろうけど、それでも楽しめるし、その設定はあくまでミステリー要素でしかなくて、それがわかったからってこの映画は終わりじゃないところがいい。

 

  • ストーリー・・・・★★★★★
  • キャラクター・・・★★★★★
  • 設定・・・・・・・★★★☆☆

 

~見所~

・伏線

・タイラーの迷言

・ファイト(暴力)

・エドワードノートンの一人ファイト

・ブラッドピッド演じるタイラーダーデンのイカレたサイコ具合

・ブラッドピッドの筋肉

 

以下、感想、考察(ネタバレ)

続きを読む

地下に潜む怪人

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はい、タイトルから漂うB級臭につられてホイホイ借りてみたんだけど、ところがどっこい普通に面白いちゃんとした映画だった。

内容は賢者の石の研究をしていた父の遺志を継ぎ、娘のスカーレットが撮影クルーと一緒に賢者の石を手に入れるためにパリのカタコンベ(地下墓地)へ行ってそこで様々な超常現象が起こってあら大変!って感じ。

考古学的な謎解きやギミックも結構あってインディジョーンズをホラーにした感じでその辺が新鮮で面白かった。謎解きのワクワクとそこから起こるオカルト的な展開が良かった。地下墓地の狭くて鬱屈とした雰囲気や次々と起こる超常現象に追い詰められてパニックになっていく感じとかハラハラしてていい。

前半は徐々に奇妙な現象を小出しにしていって、たまってきた不気味さや焦りと違和感を、後半のテンポの良さと勢いで爆発させて、バァーッと逃げ切ったような映画だった。突っ込みどころは一杯あるけどあれよあれよとラストまで目を離せない映画だった。細けぇことはいいんだよ。と。考古学的な要素と賢者の石とカタコンベのオカルト的な何かで全部起こった不思議現象なんでしょ?ってことで、とりあえず弱火でじっくりあぶって出てきた不気味な雰囲気と香りを圧倒的な急展開で蓋をしてなんとか逃がしませんでしたって感じ。

 

この映画は絶対にこの「地下に潜む怪人」とかいう糞みたいな邦題で損してる映画だと思った。

原題は「AS ABOVE,SO BELOW」で、直訳すると「下にあるものは上にあるものの如く」とかそんな感じらしく、映画の中でも「下でもなく上でもない~」なんてキーワードが出てきたり、密教錬金術に関係する言葉であるらしく、映画の内容ともちゃんと接点あるし、ラストシーンの演出や設定でも表現されててかなり大事なワードで、パッケージもパリと地下のカタコンベを上下反対のデザインでセンスある感じになってるのにどうしてそれが「地下に潜む怪人」になってしまうのか!?そもそも怪人らしい怪人なんて出てこないし、邦題をつけた人はちゃんとこの映画をみて邦題つけたのだろうか?と疑いたくなるレベルで適当でやっつけな邦題だなあと思った。まだ「謎解き化け屋敷」とかのがいいんじゃないかってレベル。 

 

~あらすじ~

カタコンベに賢者の石の秘密があるらしい。行くぞ!

でれぬ!

タスケテ! 

 

ストーリー・・・・★★★☆☆

キャラクター・・・★★★☆☆

設定・・・・・・・★★★☆☆

ワクワク・・・・・★★★★☆

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

カタコンベっていう古くて狭い地下の空間に、炎上する車とか現代的なものがでてきてその異質さがなんか新鮮だった。

犬神家みたいになるシーンもどうしてそうなるのか意味が分からないけどとりあえず不気味だった。狭いところ通ったり水の中に入らなければいけなかったり個人的に手に汗握るシーンも結構あって面白かった。

恐怖の実体というか、親玉的なものを出さないことで漠然とした恐怖というか、気持ち悪さがでててよかった。登場人物のトラウマや罪悪感に起因した超常現象が起こるのも面白かった。悪い奴は罰する!!みたいな。だけど後半のマントかぶってる奴とか石の怪物みたいなやつとかはさすがに一気に方向性が変わったというか、意味が分からな過ぎた笑だけど意味が分からな過ぎて逆に怖くなったような気もした笑

それだけカタコンベの深い階層にもぐりこんで、ゲームのダンジョンの階数が上がりすぎて周りの敵キャラがやばい奴らだらけになってきたっていう感じで理解はできなくもないけど。

まぁでも全体的に謎解きをしながら怖いダンジョンを攻略してどんどん奥へ進みながら(次は一体どんな展開になるんだろう?)てワクワクしながら見れた。

偽物の賢者の石で傷が治ったり、一人で石の部屋まで往復できちゃったりオイオイってあるところも結構あったけどそういう部分はなあなあ済ませられるくらいは面白かった。後半はほんと力技というか…え?え?みたいな感じでラストまで突き抜けて行っちゃってついてついていけなかったけど逆にそれがよかった。

ラストの終わり方もまぁ、それぞれがトラウマや罪悪感を克服したことで許されたというか、あのオカルト空間から脱出できたってことでまぁすっきり。

マンホールから出て逆さまのパリに着地するのも不思議で面白かった。

 

とりあえず細かい演出とか良かったけど、設定は大味な映画だった。

ホラーに関しては細かい設定や理屈は多少寛容でいいと思うし、自分は楽しめた。

 

10点満点中・・・7点!!

 

 

地下に潜む怪人 (吹替版)
 

 

ブレア・ウィッチ・プロジェクト

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はい、POVホラーということで借りてみた。

これは面白かった。

内容は3人の若者がドキュメンタリー映画を作るために魔女の伝説が残る森に入っていくっててんやんわんやって感じ。

3人の前に起こる不気味で不可解な現象がいい感じに気持ち悪い。

どんどん不安とストレスがたまって情緒が不安定になっていく3人の様子も人間味があって良かったし、観てるこっちまで精神削られて、不安にさせられたりイライラさせられたりで引き込まれた。特にヘザーの自己中具合がよかった笑

ほぼ森の中のシーンしかないし、猟奇的なシーンもあまりないけどそれでも退屈せずにハラハラ観ていられたのがすごいと思った。

何より恐怖の実体を映さないことが上手いというか、そのおかげでよりモヤモヤした不気味さが引き立っていて良かった。

そんなこんなでものすごい低予算な映画らしい。見て納得。

でも下手にCGとか特殊メイクとかお決まりの演出とか様式美みたいなのを出さなかったおかげで逆に安っぽさは感じられなかった気がする。

 

ラストも息が詰まりそうな展開でハラハラしながら落ちまでの勢いもよかった。

見事に伏線回収?ってほどでもないけど(っあ!)って思った瞬間にバサッと終わるのが良かった。その勢いとテンポのよさで半分理解が追いつかない恐怖が良い。

そして唐突な幕引きの衝撃に打たれた後じわじわとこみ上げてくる怖さとその余韻の気持ち悪さが良い。とにかく引きが良かった。謎が残る落ちもそのモヤモヤも含めて気持ち悪いので逆に良し!

 

~あらすじ~

森に映画撮り行こう!

道に迷った!

 

・ストーリー・・・・★★★☆☆

・設定・・・・・・・★★★☆☆

・キャラクター・・・★★★★☆

・不気味さ・・・・・★★★★★

 

 

10点満点中・・・・・9点!!!