映画 吐き出したいだけ インプレッション

映画を観て感じた個人的な感想や考察を書き殴るポンコツレビュー

ヴィジット(THE VISIT)

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二人の姉弟が、離婚し生活がいろいろとうまく行っていない母のために、母が駆け落ちする際に喧嘩別れしてしまった祖父母に会いに行き、そこで母と祖父母の確執を無くすための「許し」をビデオに収めるため、祖父母のもとに1週間滞在するって内容。

普通に面白かった。見た後も結構印象に残る映画だった。

仲のいい姉弟が自主制作の映画を撮るって名目でPOV形式。

構成も一貫してて、エンドロールでなるほどってなる人もいるかも。

滞在先の祖父母の異様な言動や行動、雰囲気、それを隠すようなふるまいとかが気持ち悪い。

すごく人柄のいい祖父母で姉弟も好きになろうとしてるんだけど、やっぱりどこかおかしい…そんな疑念と違和感が日を追うごとに確信に変わっていき、衝撃のラストへ~って感じ。

 

しっかり者の姉ちゃんと、お調子者の弟が、異様な雰囲気の祖父母の家で、なんやかんやありながら、両親の確執に囚われている母を救おうとする中で、母親の離婚に対するそれぞれのコンプレックスやトラウマを克服する映画だった。

95%のホラー・スリラーの中に5%ぐらい人間ドラマを混ぜて一応ストーリーを整えましたって感じだった。

とりあえず映画は当たりだと思う。不気味で気持ち悪くて、ハラハラドキドキ面白かった。

個人的におばあちゃんのインパクトが8割の映画だった。

 

~あらすじ~

じじばばのところに始めてのホームステイ!

映画にするで~

タスケテ!!


映画『ヴィジット』予告編

 

トーリー・・・・★★★★☆

キャラクター・・・★★★★★

設定・・・・・・・★★★★☆

おばあちゃん・・・★★★★★

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

とにかく不気味で気持ち悪い。

祖父母のおかしなところも最初の方はまぁ、娘とうまく行かなかったり、仕事柄ストレスがたまりやすくてちょっとおかしいところがあっても…みたいな感じだったけど、徐々に徐々に異常な行動が激しくなっていって不安感をすごく煽られた。

 

個人的に第一印象がすげー美人で感じのよかったおばあちゃんの豹変っぷりにガツンとやられた。印象に残ったシーンもほぼおばあちゃんのシーンしかない。

縁の下のかくれんぼで暴れ馬のごとく突如出現したシーン(あれは最初ただのノリが異常にいいだけのパワフルおばあちゃんかと思った。笑)に始まり、夜中の廊下を獣のように四つん這いで走り回ったり、全裸で壁を引っ搔き続けてたり、とにかく気持ち悪かった。

壁に向かって笑いつつづけて、「暗闇さんを洞くつに閉じ込めるには笑ってないといけないの。」ってセリフもイッちゃってて気持ち悪かった。美人なのに。

ボードゲームをやっててじいさんがくそを漏らしたときにクッキーバリバリ食べだして「ヤッツィーーーーーー!!!」って狐のポーズで叫ぶシーンも狂気感でてて面白かった。

あとは姉ちゃんが、狂ったばあさんがいる部屋に閉じ込められちゃうのもドキドキした。猛獣とか怪物がいる部屋じゃなくて、狂った老人の部屋だからとにかく何をされるのかわからなくて怖かった。

 

母とのスカイプで「そこの二人は誰?」って言われた時のサーッと血の気が引く感じもよかった。

ラストシーンは、姉は鏡、弟はラグビーのタックルで状況を打破してて、それぞれがずっと胸に抱えていたコンプレックスの解放からの決別で熱い展開だった。

 

構成的には、カメラ2台?使ったPOV方式で、日が変わるごとに何曜日なのか赤字で出てきて、最初違和感を覚えたんだけど、水曜日くらいでやっと(あ、これ姉ちゃんがとった映像を編集したやつだ)って気づけたんだけど、逆にそれでこの姉弟は死なないんか…と、ちょっと緊張感なくなった。

エンドロールでは、姉の発言通りの手を重ねるシーンにそぐわない音楽の演出や、弟のラップで、してやったりこれは最初から1本の姉の自作映画だったんだぜ。って感じを出してる。また離婚して家を出て行った父親の姿を流したり、鏡を見ながら髪を整えている姉の姿や、弟のラップの内容から、姉は父親に対する怒りや、自分に価値がないと思い込む傾向、弟は潔癖症、母の離婚から生じたそれぞれのコンプレックスやトラウマを克服し、成長できた様子を映していて面白かったし、不気味で後味の悪い内容と唐突な終わり方だっただけに、エンドロールでの二人の成長と弟のコミカルなラップでアフターケアになっていてよかった。

…にしてもこの二人メンタル強すぎィ!!!ふつうこんな事件を体験したらトラウマになるというか逆に精神病患って廃人コースでしょ。まぁ、強引にタフネスハッピーエンド。

ホラー映画にありがちなPOV方式だったけど、この映画の場合POVだから怖さや切迫感が増すというシーンはそんなに多く無くて、ほぼエンドロールでの種明かしと、二人の成長を見せて無理やりまとめるためのPOVだった。

別にあってもなくてもいいような設定だったけど、まぁ気分の悪い内容の映画だっただけにチープなギミックを挟んで最後を明るい感じで締めくくってくれるのはよかったと思う。作中もずーっと二人の兄弟を映してるからやっぱり多少感情移入する部分はあって、そんな二人がラストも楽しそうにしてて視聴者的には救われた気分になれた。

 

~突っ込みどころ~

・予告の3つのルールはほぼ関係ない

・ばあさんの部屋にカギ付いてるならじいさんは毎日ちゃんと鍵かけてばあさんをとじこめろよwww

くらい。

 

なんだかんだ一番印象に残たシーンは、おばあちゃんが縁の下のかくれんぼに乱入してくるシーン。

あそこが一番意味わからなくて怖かった。し、面白かった。唐突すぎて衝撃だった。

 

 

やはり真に怖いのは化け物や幽霊ではなくてキチガイの人間。

とにかくいい感じにテンポよく不安感、恐怖感、気持ちの悪さを煽られた後ラストのドキドキ脱出劇。からのちょこっとアフターケアもしてもらえる面白い映画でした。

 

10点中…8点!!