スナッチャーズ・フィーバーー喰われた町ー
豚の被り物が不気味に映ってるパッケージと「町が何かに浸食されていく」というキャッチフレーズに魅かれて借りてみた。
POVのパニックスリラー
あとジャンル的には一応SFらしい…
徐々に明らかになっていく住民の異様な雰囲気や行動が、理解はできないけどとにかく不気味で気持ち悪い。そうやって引き込まれていくうちにドン!とインパクトのあるシーンを挟まれたりして面白かった。序盤は。
後半はよくある王道的な流れでひっちゃかめっちゃかわいわいやったり、突っ込みどころもいっぱいあるけど、地下の倉庫?のシーンはすごいハラハラした。
とにかく最初の方はかなり引き込まれる映画だった。
~あらすじ~
映画とってたらなんか周りの人たちがおかしい。
・ストーリー・・・・★☆☆☆☆
・キャラクター・・・★★☆☆☆
・設定・・・・・・・★★★☆☆
・不気味さ・・・・・★★★★☆
~見所~
・様子のおかしい住民の不気味さ
・異様な雰囲気で引きつけてからのびっくりシーン
・ガソスタ店員のスマイル
・真っ暗空間で出現する口紅お化け
以下、感想、文句(ネタバレ)
まず文句。
なんか見ずらい!
POV形式ってことでリアリティを出そうとしてるのかもしれないけど、いちいち焦点ずらして 、前ボケ後ボケをぐだぐだとくどいくらいに多用してきて目が疲れるし、手振れも激しすぎてさらに目が疲れる。
もっと腹が立つのはPOVの中途半端さ。本当に手持ちカメラの映像で流してるところなんて序盤の方だけでそれも部分的で全体の量と比べてみればPOVになってるところなんて2割ぐらいしかないと思う。あとカメラを持って走って逃げるシーンとかではほぼ画面は真っ暗だったり、手振れで何も見えてなかったりで思わず手抜きかと思ったほど。
POVから伝わる臨場感や、ギミックなんかも全くない。同じPOV作品の、REC、ブレアウィッチプロジェクト、ヴィジットなんかと比べると本当にお粗末。なんでわざわざPOV要素を取り入れたのか謎。
以上。
でも物語の入り方はすごいよかった。
おかしくなった住人が皆顔を後ろに向けて棒立ちしてるのは不気味で面白かったし、ガソリンスタンドの挙動不審な友人や、トイレに出てきた双子とか、店員のニッコリスマイルとか(なんかよくわからないけどおかしい!)っていう気持ちの悪い描写をテンポよく挟んで、徐々に徐々に不安を煽って行くからすごい引き込まれた。
歯医者での様子がおかしい少女も(この子すでにやばいんじゃないの?)とか思わせておきながら「助けて、あの人パパじゃない」って衝撃のSOSをしてきて背筋がぞわっとしたし、その後のパパのニッコリスマイルもびっくりした。
悪魔の存在を意識させるような、夫がおかしくなったおばあさんの必死の演説と、それを聞いて仲間の一人がすでにおかしくなっている節があるんだと疑心暗鬼になったりするシーンはハラハラした。
ホテルのドアに謎の印がつけられてて、確実に周りには得体のしれないナニカがいて、たった数日の出来事にもかかわらず、そいつらに追い込まれていること意識させられたり、緊迫感もよかった。
ここまでは割と引き込まれた。
っていうかこの先はお酒飲んでたせいで一回寝ちゃった笑
銀行に入ったっところまでは覚えてるけど、気づいたらよくあるパワフルゾンビから逃げるような王道の流れになっててなんかもうどうでもよくなっちゃった。
それでも印象に残ってるシーンは地下室?的な真っ暗の倉庫で逃げ回るシーン。
位から携帯のカメラでフラッシュをたいて撮影して確認しながら進もうって事になって何度か写真を撮るんだけど、「奥のほうになにか写ってない?」「そんなことないよただの箱だよ」「いいからもっかい撮って」パシャリコ「ほらやっぱりただの箱だよ」「いいえ違うわお願いだからもう一回撮ってみて!」パシャリコ「なんだ、画像の表示が遅いぞ、壊れのたかな」「やっぱりおかしいわ!」(口紅女デデン!!!)「「ッファーーーーーー!!!!」みたいなシーンが怖かった。
いちいちカメラで撮らなくても携帯のライトで照らせば済むだろうがとか、いや携帯のカメラでフラッシュたいて写真撮ったからってそんな「キュィーーーン…バシュッ!!」みたいな音でねぇから!とかいろいろ突っ込みどころはあるけどまぁスルー。
とりあえずコレ絶対出てくるヤツだ!っていうお決まりのシーンなんだけどそこがバッチリ怖くてよかった。口紅女もイカれた口紅メイクが相まって怖い怖い。
そのシーンはよかった。だけどせっかく恐怖のボルテージが上がってるのに登場してすぐに別の仲間のシーンに変わっちゃってなんかテンポ悪かった。
豚の被り物した子供のシーンもちょっと不気味なだけでたいして面白くなかった。
オチはまぁ、気もよく終わって悪くなかった。
最後まで一緒に逃げ切った親友が実は乗っ取られてました。ってので暗転して
そこから序盤に出てきた友人とバスで再会した主人公もまた乗っ取られちゃってました。って気持ちよく終われててよかった。
それと作中でよく使われてた効果音もよかった。ラストシーンで主人公が笑うシーンでも鳴ってたけどあの「ヴッ!!」って音がまた不安を煽るというか気味の悪い感じがしてよかった。
という感じでそこそこに楽しめたけどこの映画は前半が見どころだね。
後半は勢いに任せて逆に失速したというか、王道なんだけど雑になった気がした。
豚マスクとか口紅女とかいろいろ不気味なキャラクターはいたんだからもうちょっと上手くまとめられた気がする。
ストーリーはほぼあってないようなもので、設定もよくわからんかった。(途中寝てたし)
「耳から菌が入っおかしくなる」とか作中のニュースで言ってたけど、それも政府が市民をパニックにさせないための嘘報道だってばあさんはいってたり、結局何が原因かもわからないし、おかしくなった人たちが何なのかもわからなかった。
作中では何回か「モンスター」って呼ばれてたけど。
そういえば映画のラストもたしかモンスターってロゴがデデーン!と出てきた気がする…
精神病とか人格障害とか悪魔とかいろいろ言ってたけど結局よくわからん。
後半あんなにワイワイやるなら、実は主人公サイドが精神病で街の住人は普通だったって落ちも匂わせたりしてもっと繊細に作りこんでくれても面白くなったと思う…。
それかせっかくだからもっと身近な人をおかしくなったような雰囲気を出して疑心秋にさせて恐怖感煽るとか、そこの駆け引きがあっても良かったと思う。
まぁとにかくよくわからんのである。
よくわからんけど、とにかく不気味な雰囲気や気持ちの悪さ。ハラハラとドキドキが伝わればいい映画って感じだった。
種類は違うけど、なんとなく残る後味の悪さというか、頭に残って離れない気持の悪さはブレアウィッチプロジェクトに似てる気がした。あれは前半ジリジリして最後のインパクトでドーン!って気持ち悪かったけど、スナッチャーズ・フィーバーは前半じっとり気持ち悪くて後半台無しって感じ。
とりあえず普通のSF?とはちょこっと毛色の違う雰囲気が楽しめる映画でした。
10点満点中…5点!