映画 吐き出したいだけ インプレッション

映画を観て感じた個人的な感想や考察を書き殴るポンコツレビュー

グットナイト・マミー

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はい、悪くはないけど、そこまで良いとも言えない感じだった。

わりとドキドキハラハラしながら観ることができたけど、ありがちな設定というか、途中でネタがわかってしまう段階が早すぎるというか、もうちょっと引っ張って衝撃度を上げることはできなかったのかなぁという感じだった。

後半の猟奇的なシーンはなかなかに残酷でよかった。けどもうちょっと絶望感とサイコ感を盛り込んでもよかったなぁ。

ただ、自然豊かな農場の風景や、豪華でモダンな別荘の建築美がすごく美しかった。

その豊かな自然とモダンな建物の中で仲良く遊ぶ双子の美少年を眺めているだけでも個人的には十分楽しめた。あの舞台で双子が延々とキラキラほのぼの仲良し僕らの夏休みしてるだけでも全然見れると思った。

 

見所は、包帯ぐるぐるで顔が確認できない母親の不気味さ、怪しい母親を前にした双子の絆の強さ、子供ながらの母親への抵抗、徹底した母親への抵抗、綺麗な風景、

 

~あらすじ~

なんかママがおかしい。

僕達のママを返して!

ファイア!! 

 

ストーリー・・・・★★☆☆☆

キャラクター・・・★★★☆☆

設定・・・・・・・★★★★☆

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

 

とりあえず仲の良い双子に萌えた。

無線とか、ボウガンのおもちゃで大人に抵抗しようとする子供ながらの抵抗にちょっとわくわくした。そして双子が農場で遊ぶシーンが美しかった。

後半の母親を縛り上げて拷問したりするシーンが猟奇的でよかった。

虫眼鏡で肌をあぶったり、接着剤で口をくっつけて喋れなくしてしまったり、鋭く削った鉛筆?をボウガンの矢にしたり…

子供ながらの発想で、身近にあるもので悲惨でグロテスクな拷問を徹底して行う様に戦慄した。発想や道具はかわいいのに、やってることはすごいえげつないというギャップにインパクトを受けるというか、また非情で猟奇的な行動を楽しむわけでもなく、ただただ本当のママに会いたいという純粋な気持ちから徹底して実行する子供の姿にも恐怖を覚える。いい感じに狂気な作品だった。

けど個人的にはもうちょっと母親をいたぶってもよかったと思うし、子供離れした子供を出してくれれば、もっとブルった思う。エスターみたいに。

 

あと文句としては、ルーカスがエリアスにしか見えない幻覚だとわかっちゃうタイミングが早すぎる気がした。

もうちょっと後に持ってきてもいいんじゃないかな。

母親の徹底したルーカスを無視した行動や、外部で話すときもルーカスは直接第三者とは話さず、エリアスに耳打ちするだけ等の伏線バリバリ張ってたから、母親が神父さんに「悲惨な事故で息子が…」って言った瞬間に(ああやっぱりね。)って盛り上がりきる前にガスが抜けちゃったというか、もうちょっと伏線を散らしながら進行してくれれば、最後まで(これはどっちなんだ?)っハラハラ集中しながら見れた気がする。

それと前半の母親が全裸で夜の森に行って顔をぶんぶん振り回してるような意味深な怖いシーンがあったけどあれはいったい何だったのか?ちょっとちぐはぐなミスリードじゃない?

 

落ちとしては、息子のために尽力する母親の願いもむなしく、狂った息子に散々いたぶられた挙句焼殺される救いのないバッドエンドで、エリアスの狂気っぷりが一貫しててよかったけど、ちょっとマイルドな胸糞ですっきりしなかった。

時間をかけた割にミステリ要素が拍子抜け過ぎてちょっと中身スカスカな感じが否めない。不気味なシーンもそんなに多く無いし。

ラストの3人で笑って終わるシーンは、エリアスがルーカスに続いて幻の母親を作り上げて、これからはやっと3人で仲良く生きて行けるね。ってエリアス的なハッピーエンドって事でいいのかな?

全体的に、スカスカなミステリ要素7割、息子の拷問3割って感じだった。

いちおう最初から最後まで集中して見れて面白かったかな。

 

 

10点満点中…5点!!!

 

 

HELL

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はい、微妙でした。

とにかくテンポが悪い、話のスケールが小さいわりに内容が薄い。

盛り上がるポイントも特にない。へー、ふーん、はーん。って感じで終わる。

強いて褒めるポイントは挙げるなら前半の、少ない物資を調達しながら車で生活する感じは世界観が出てて良かった。ガソリンを集める描写とか、暖房設備から水を取り出すところか、はよかった。まぁそんな描写もほぼ開始10分程度で終わるんだけどね。

あとは映像がきれいだった。それくらい。あとトムがイケメンだった。うん。

~あらすじ~

妹ォ!!

妹ハドコォ!!?

妹ォォ!! 

 

ストーリー・・・・★☆☆☆☆

キャラクター・・・★★☆☆☆

設定・・・・・・・★★☆☆☆

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

とにかくテンポが悪い。

場面も、放浪、誘拐、妹探す、村、脱出で1つ1つの場面が全部同じくらいの長さで、この映画の一番の見所がわからん。どこを一番見てほしかったのか不明。

びっくり要素の誘拐~食人もインパクトが弱い。

食人の描写も、皿に取り分けられた肉と、目の前で殺される彼氏くらいで特にグロテスクだったり猟奇的なシーンもなくてなんも心に残らない。

とりあえず主人公が妹!妹!いいながらやばい集落につかまってだけど脱出しましたってだけですっごいふわふわして薄い内容だった。

唯一頼りになってイケメンの魅力的なキャラクターであるトムも前半と後半にちょろっとしかでてこないし、とりあえずクソだった。

冒頭のシーンも謎。あの女がエリザベートでよかったの?

デイアフタートゥモローの人とは思えない出来だった。

異常になった人間とかそういうサスペンス系に走るんじゃなくて、素直に過酷な自然環境に重きを置いた作品にしてほしかった。

 

10点満点中...2点!!

ヴィジット(THE VISIT)

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二人の姉弟が、離婚し生活がいろいろとうまく行っていない母のために、母が駆け落ちする際に喧嘩別れしてしまった祖父母に会いに行き、そこで母と祖父母の確執を無くすための「許し」をビデオに収めるため、祖父母のもとに1週間滞在するって内容。

普通に面白かった。見た後も結構印象に残る映画だった。

仲のいい姉弟が自主制作の映画を撮るって名目でPOV形式。

構成も一貫してて、エンドロールでなるほどってなる人もいるかも。

滞在先の祖父母の異様な言動や行動、雰囲気、それを隠すようなふるまいとかが気持ち悪い。

すごく人柄のいい祖父母で姉弟も好きになろうとしてるんだけど、やっぱりどこかおかしい…そんな疑念と違和感が日を追うごとに確信に変わっていき、衝撃のラストへ~って感じ。

 

しっかり者の姉ちゃんと、お調子者の弟が、異様な雰囲気の祖父母の家で、なんやかんやありながら、両親の確執に囚われている母を救おうとする中で、母親の離婚に対するそれぞれのコンプレックスやトラウマを克服する映画だった。

95%のホラー・スリラーの中に5%ぐらい人間ドラマを混ぜて一応ストーリーを整えましたって感じだった。

とりあえず映画は当たりだと思う。不気味で気持ち悪くて、ハラハラドキドキ面白かった。

個人的におばあちゃんのインパクトが8割の映画だった。

 

~あらすじ~

じじばばのところに始めてのホームステイ!

映画にするで~

タスケテ!!


映画『ヴィジット』予告編

 

トーリー・・・・★★★★☆

キャラクター・・・★★★★★

設定・・・・・・・★★★★☆

おばあちゃん・・・★★★★★

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

とにかく不気味で気持ち悪い。

祖父母のおかしなところも最初の方はまぁ、娘とうまく行かなかったり、仕事柄ストレスがたまりやすくてちょっとおかしいところがあっても…みたいな感じだったけど、徐々に徐々に異常な行動が激しくなっていって不安感をすごく煽られた。

 

個人的に第一印象がすげー美人で感じのよかったおばあちゃんの豹変っぷりにガツンとやられた。印象に残ったシーンもほぼおばあちゃんのシーンしかない。

縁の下のかくれんぼで暴れ馬のごとく突如出現したシーン(あれは最初ただのノリが異常にいいだけのパワフルおばあちゃんかと思った。笑)に始まり、夜中の廊下を獣のように四つん這いで走り回ったり、全裸で壁を引っ搔き続けてたり、とにかく気持ち悪かった。

壁に向かって笑いつつづけて、「暗闇さんを洞くつに閉じ込めるには笑ってないといけないの。」ってセリフもイッちゃってて気持ち悪かった。美人なのに。

ボードゲームをやっててじいさんがくそを漏らしたときにクッキーバリバリ食べだして「ヤッツィーーーーーー!!!」って狐のポーズで叫ぶシーンも狂気感でてて面白かった。

あとは姉ちゃんが、狂ったばあさんがいる部屋に閉じ込められちゃうのもドキドキした。猛獣とか怪物がいる部屋じゃなくて、狂った老人の部屋だからとにかく何をされるのかわからなくて怖かった。

 

母とのスカイプで「そこの二人は誰?」って言われた時のサーッと血の気が引く感じもよかった。

ラストシーンは、姉は鏡、弟はラグビーのタックルで状況を打破してて、それぞれがずっと胸に抱えていたコンプレックスの解放からの決別で熱い展開だった。

 

構成的には、カメラ2台?使ったPOV方式で、日が変わるごとに何曜日なのか赤字で出てきて、最初違和感を覚えたんだけど、水曜日くらいでやっと(あ、これ姉ちゃんがとった映像を編集したやつだ)って気づけたんだけど、逆にそれでこの姉弟は死なないんか…と、ちょっと緊張感なくなった。

エンドロールでは、姉の発言通りの手を重ねるシーンにそぐわない音楽の演出や、弟のラップで、してやったりこれは最初から1本の姉の自作映画だったんだぜ。って感じを出してる。また離婚して家を出て行った父親の姿を流したり、鏡を見ながら髪を整えている姉の姿や、弟のラップの内容から、姉は父親に対する怒りや、自分に価値がないと思い込む傾向、弟は潔癖症、母の離婚から生じたそれぞれのコンプレックスやトラウマを克服し、成長できた様子を映していて面白かったし、不気味で後味の悪い内容と唐突な終わり方だっただけに、エンドロールでの二人の成長と弟のコミカルなラップでアフターケアになっていてよかった。

…にしてもこの二人メンタル強すぎィ!!!ふつうこんな事件を体験したらトラウマになるというか逆に精神病患って廃人コースでしょ。まぁ、強引にタフネスハッピーエンド。

ホラー映画にありがちなPOV方式だったけど、この映画の場合POVだから怖さや切迫感が増すというシーンはそんなに多く無くて、ほぼエンドロールでの種明かしと、二人の成長を見せて無理やりまとめるためのPOVだった。

別にあってもなくてもいいような設定だったけど、まぁ気分の悪い内容の映画だっただけにチープなギミックを挟んで最後を明るい感じで締めくくってくれるのはよかったと思う。作中もずーっと二人の兄弟を映してるからやっぱり多少感情移入する部分はあって、そんな二人がラストも楽しそうにしてて視聴者的には救われた気分になれた。

 

~突っ込みどころ~

・予告の3つのルールはほぼ関係ない

・ばあさんの部屋にカギ付いてるならじいさんは毎日ちゃんと鍵かけてばあさんをとじこめろよwww

くらい。

 

なんだかんだ一番印象に残たシーンは、おばあちゃんが縁の下のかくれんぼに乱入してくるシーン。

あそこが一番意味わからなくて怖かった。し、面白かった。唐突すぎて衝撃だった。

 

 

やはり真に怖いのは化け物や幽霊ではなくてキチガイの人間。

とにかくいい感じにテンポよく不安感、恐怖感、気持ちの悪さを煽られた後ラストのドキドキ脱出劇。からのちょこっとアフターケアもしてもらえる面白い映画でした。

 

10点中…8点!!

 

 

君の名は。

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新海誠さんが好きで気になっていたのでつい映画館まで行ってしまった。

劇場で観た映画のレビューは初。

 

~あらすじ~

なんか入れ替わった!

え?会えへんの?

彗星やばい!!!

若い男女の不思議で切ない青春を、美しい作画で引き込み、仕掛けのある設定で盛り上げる 素晴らしい映画だった。恋愛だけじゃなくてSFもしてた。

 

やっぱり新海誠さんの作品だけあって背景が超きれい!

人物もぬるぬる動く。

物語の舞台が飛騨の田舎町と、東京の2か所になってるから、田舎の自然と東京の街並みの両方を新海さんならではという感じで綺麗に表現していてすごかった。

タイムラプスをそのままアニメにしてたところもすごい綺麗で迫力があった。

光の使い方もすごい綺麗でした。

 

内容はただの男女入れ替わりの恋愛ストーリーかと思いきや、思わぬギミックが入っていて、時空を超えた超絶ロマンチックなストーリーで感動できた。

RADの挿入歌も盛り上がった。けどもうちょっと控えめでよかった気がする…。

主人公にはあんまり感情移入できなかったけどキャラクターも魅力のある人が多くて面白かった!

前半のほのぼの楽しい感じからの後半の切なさとドキドキとハラハラで終始楽しめる映画でした。

 


「君の名は。」予告

ストーリー・・・・★★★★☆

設定・・・・・・・★★★★★

キャラクター・・・★★★☆☆

美しさ・・・・・・★★★★★

 

以下、感想、文句、考察(ネタバレ)

 

なんか細田守によせてきた感じでソフトで爽やかだった。

まず最初に印象的だったのが、OPがあったこと。

がっつりRADの歌に合わせてOPっぽいの始まってて面白かった。

なんか意表を突かれた感じだけど、あれはあれでかっこよかったし、いいんじゃないかな。 

 

始まってすぐにもう瀧君が三葉として入れ替わっているところから始まるんだけど、お互いが入れ替わっていることを認識して、それを受け入れてそれぞれがお互いを尊重して生活していこうとする様子がテンポよく流れてて見やすかった。

 

三葉サイドの糸守の町が映画の主な舞台というか、物語の核となる場所だったんだけど、糸守では田舎でほのぼの男女が仲良く高校生してる感じが和むし、皆の訛りがなんか心地よかったり、妹はかわいいし、てっしーカップルもかわいいし、神社の家系で糸守の言い伝えや儀式とか意味深なワードもでてきて、そういう情景をまた新海誠の美しい描写で描かれるからたまらんかった。組糸の作ってる時の焦点ずらしていく感じとか、神社の水の流れてるところとかの表現がすごい良かった。ご神体のある山の風景もすごくきれいだった。

東京サイドは男子高校生の絡みが温かかったのと、先輩がかわいかった。

飛騨までついてきてくれる先輩と司君も優しくてよかった。

後は電車やビル群、雨で濡れたタイルに反射する光とかの描写が綺麗だった。

 

設定も実は3年の時差があって、しかも三葉の方は死んでましたってのが面白かった。

瀧君もあれだけ糸守の風景や人間に愛着も沸き、三葉への本当の気持ちに気付いた矢先に衝撃の事実が発覚し、どうしようもない現実に打ちのめされる感じがよかった。

瀧君のデートが気になって実際に東京まで会いに行く三葉が、3年の時差があるためにまだ自分を認識してもらえず、髪に巻く組紐だけを渡して帰るってのがまたたまらなく切なかった。この時の電車の中での「名前は~!」ってやり取りが冒頭のシーンと繋がってて、実はやっぱり前から知ってたんだよってなるのが面白かった。

瀧君も三葉を覚えてはいなくとも、しっかりと組紐だけは大事に腕に巻いたりとっておいたのがまたイイというか、運命的というか、繋がりを感じるよね。

 

一番印象に残ったシーンは、やっぱりそんな二人が初めて面と向かって出会えた黄昏時の尾根のシーン。

声だけは聴こえて、お互いの存在を感じてはいるけど見ることはできない状態で、

山の端に消えそうな夕日の光をバックにお互いの手が空を掴むシーンはすごい切なくてよかった。ここから夕陽が沈んで黄昏時になった時にパッと二人が出会える演出がまた憎い。黄昏時=誰そ彼時=逢魔時そういえばこんな授業やってたなー!なんて、この瞬間に二人が会えたのも読んで字の如くで、なんとなく納得してしまういい演出だったともう。とにかくこの摩訶不思議タイムで二人が時空を超えて再開できたのがすごいロマンチックだし、背景の橙色から藍色に染まっていく空やらたなびく雲やらがいい雰囲気だしてた。忘れないようにお互いの名前を手に書こうといって、三葉がタキ君に名前を書こうとした瞬間に黄昏時が終わって、唐突に三葉が消えてマジックが虚しく地面に落ちるシーンも切なくてよかった。それに、お互いがお互いの名前を忘れないようにするんだけど、どうしてもやっぱり忘れてしまって、それに絶望したり、大事なものを忘れないようにするために必死に奔走する二人の姿が切なかった。それでもやっぱり互いの名前も記憶も消えて行ってしまう無常さがまたたまらなく切ない。胸が苦しくなる。

その後もお互い何かをずっと探し続けている感覚だけを残して東京で生活してて、歩道橋でニアミスしたり階段ですれ違って振り返っても、また戻って歩き出しちゃったりもう最後までオイオイオイ!また秒速5センチメートル的なオチかよおい!って胸を締め付けられながらもハラハラヒヤヒヤドキドキできてよかった。今回はタキ君も三葉もしっかり再会できてハッピーエンドで気持ちよく終われてよかった。あれだけ糸だの縁だの結びだの言っておいたんだからそれ最後はしっかり結ばれないと困るよね。

これでもう夢から覚めた後勝手に涙が出てた。なんてこともなくなるでしょう。

てっしーカップルが結婚の話ししてるところも和めてよかった。

 

とりあえず前半はテンポよくほのぼのできて、中盤からラストにかけて二人の再会と彗星からの避難で大きく盛り上げて、その余韻を残しつつその後に二人はもう一度再会できるのか?って静かに盛り上げてスゥーッと幕を引く流れがよかった。

1度目の時空を超えた再会、と彗星からの避難、と8年越しの2度目の再会と、見所を叩き込んでくるからなかなかに感動できた。

過去や未来が変わったりして、夢か現かわからないけれど、一方通行のファーストコンタクトと、それから3年越しの再会、あったようでなかった、なかったようであった二人の出会いを、互いに記憶を失いながらも共有しつつそこから5年越しにまた再会するというこのロマンチックさ。なんなん!?

とりあえずいい感じにハートをボコボコにされたあと優しく抱擁されるような感じのいい映画だった。

 

そして、いくつか謎なシーンがあった

なんで三葉とタキ君がどうして時を超えて会うことができたのか…

これはタキ君が三葉の口噛み酒を飲むことで、作中でも口噛み酒は三葉の半分といっているように、タキ君の中に三葉の魂?的なものが入って三葉は再びタキ君に入ることができた。でいいのかな。ご神体のある場所はあの世って言ってたから、そこで冥界なのか時空なのかわからんけどなんか超越して三葉さんカムバックしたのかな。

今度はタキ君が何で過去の三葉の中に戻れたのかなんだけど、これもやっぱり口噛み酒で三葉の存在がタキ君の中で強くなったっていうのと、腕につけてた三葉の組紐がトリガーになって戻れたって事でいいのかな。戻る時の演出ももやたら組紐強調してたし、戻れたタイミングがちょうど三葉がタキ君に組紐を渡した次の日っていうのも関係あるような気がする…。

ばあちゃんも糸と結び。糸は時間で、食べることは結びでもある。とか言ってたからなんとなくカスってる気がする。

時間を超えて会えたのは誰そ彼時様様ってことで。

 

なんで急に三葉と入れ替われなくなったのか…

なんか三葉が彗星で死んじゃったから入れ替われなくなったみたいな流れだったけど、3年前からずっと死んでたんだから急に入れ替われなくなるの不自然じゃない?

年は違うけど日付だけリンクしてたんならわかるけど、単純にその辺を見逃してただけかも…季節も一緒だったもんね。

 

そもそもなんで入れ替われたのか…

これはご神体の祠の天井に書かれてあったように、糸守には1200年前に彗星が落ちて湖ができた過去があって、次の彗星に備えて、神社で家系である宮水家の巫女は代々何年か時差をつけて他人と入れ替わる能力ができたってことでいいっぽい?

ばあちゃんが、「ばあちゃんも三葉の母さんも誰かと入れ替わってた時があった」って言ってたもんね。

ここで入れ替わる相手がなんでタキ君だったのかは謎だけど。

 

まぁこれくらい、あとは入れ替わるときに鐘の音がゴォーーン!!ってなってるような時が最初と最後の方のと1回ずつあったと思うんだけど、その演出の意味とかタイミングが1回見ただけじゃようわからんかった。

 

 

 

 

次は突っ込みどころと不満点。

 入れ替わってることがお互いわかった時点ですぐ電話なりメールなりで連絡を取って実際に会ってみるという発想はなかったのか…そうすればもっとはやく時間差のからくりに気付けたんじゃなかろうか…野暮いか。 

 あとご神体までの服装が軽装すぎないかと思った。結構な登山だと思うけどあれで大丈夫なんか。再会するシーンの三葉なんて制服にローファーで登ってたぞ。

しかも日が傾き始めてから自転車で町を出発して、日が暮れる前に山頂に着くとかあの距離的に絶対無理だろwwwまぁ話のテンポと盛り上がり、演出を考えたら致し方なし。切迫感大事。

 あとは挿入歌がちょっとうるさすぎた。

盛り上がるっちゃ盛り上がるけど声入りはOPとEDだけにとどめてくれたほうが個人的にはよかった。挿入歌入れたシーンはもっとなんか別の音楽入れたほうが感動できたと思う。悲しい音楽でも穏やかな音楽でもどんな音楽入れてもあのシーンは印象的になっただろうし、あえて歌を入れるのがちょっとう~んって感じだった。歌を入れるなら無音でもいいくらいだと思った。RADは好きだけど。ちょっとくどかった。 

 

 総評。

とにかく切ない。そしてその切なさを描く美しい背景や作画がより切なさを強調して、独特の雰囲気をだしてる。

中盤からラストまでの引き付け方が上手い。

不満は挿入歌がちょっとうるさいくらいしかなかった。

 

無数の尾を引いて落ちていく2つに割れた彗星が、時間と場所を超えて2人の人生をさながら糸のように絡まり合わせて最後は綺麗にに結ぶ。

奇跡的で運命的で超ロマンチックなSF映画で面白かった!

けど見終わった後になにかずっと胸に残る物がある感じではないけど、とりあえず面白かった。芸術点高い。

 

10点満点中・・・・9点!!

 

オートマタ

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 TUTAYAの新作コーナーから適当に借りた1本

2045年に起こるとされてる技術的特異点?にちなんだ映画らしい。

 

あらすじ

もぐりの技師が会社のロボットいじくってこのままじゃ会社やばい!

なんやロボットの第2プロトコル消されてるやんけ!やばい!
なんか会社から裏切ったと思われて命狙われてる!やばい!

ロボットに助け求めたらなぜか砂漠に連れてかれた!やばい!

もぐりの技師はおまえやったんか!!やばい!

娘産まれる!やばい!

 

世界観は結構作りこまれてた感じがする。

家庭用ロボットを利用した保険詐欺とか人工雲、汚染された雨、サイバーパンクな街並み、容赦のないスラムキッズとかいい感じにSFしてた。

だけどこの映画はそいう近未来物にありがちなロボット倫理とか違法アンドロイドとか環境問題とかは全部軽く触っただけで、半分くらいが主人公とオートマタの砂漠サバイバルと会社の殺し屋とのバトルで、いろいろと漠然としてた気がする。あまり感情移入できるキャラクターがいない。主人公度は主人公4、ロボット6くらい。

大局的に見れば主人公は人類ではなくロボット。のような映画だった。

前半はSFチックな世界観に引き込まれる。

後半は制限のなくなり無限に進化が可能になったロボットの心境や目的が気になる映画だった。

 


映画『オートマタ』特別映像

 

・ストーリー・・・・★★☆☆☆

・設定・・・・・・・★★★★☆

・キャラクター・・・★☆☆☆☆

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

 

なんか人工知能をめぐって会社の体裁やら人類の存続を守るための汚いやり口や人対人の駆け引き、その最中に妻の出産と娘の誕生があったりしたけど、結局人工知能はそんなの関係なしに、最初から最後までただやりたいことをただやってました。ってだけな気がした。各所で起こる局面が噛み合わないせいで全体的にぼやけてよくわからない内容だった...。

 

ポジティブに解釈するなら、人間は自分の立場や命を守るために他人を殺したり卑劣な手を使ったり、醜く汚いところもある反面、家族を作り、命を育む愛ある生き物であり、そういった人類の生き様を主人公、主人公の会社、主人公の家族の3点で表しつつも、人工知能を持つロボットたちはもっと高次元での意識を持って、これまでの人類とは違った社会を築き、種の繁栄を考えて生きていく。人間から作られ、そして滅び行く人間から自立し巣立っていく、時代の転換期を描いているってことでいいのかな。

それが作品のテーマ?である2045年問題にかかってくるという解釈で。

 

作中でもロボットが人類に代わって地球で生きていくって言ってるし、地球上を歩くのが人からロボットになっても、それが人類を含めた進化の形ということで。

ラストシーンはロボットを谷の向こう側の砂漠(未来)へ送り、人間である主人公は車で海(過去)へ向かった。未踏の大地をクリオが顔のパーツを捨てて歩いていくというのは、クリオが人類からの自立と個の意識を表明し、新たな時代へ踏み出した。逆に主人公が海をイメージしながら反対方向に車を走らせたのは、有機生命体の源である母なる海へと回帰、すなわち人類の時代の終わりを受け入れた。という風に感じた。

 

~印象的なシーン~

・スラムキッズが何のためらいもなく博士を銃殺するシーン。

 テンポのよさにびっくりした。

・顔面のパーツを炎にくべるロボット

 人間からの自立が感じられてちょっとグッときた。

・主人公が度々思い浮かべる海のシーン

 主人公の記憶なのか想像なのか謎だけど。なんか安らぐ。

・クリオ登場シーン

 顔がこわい

・クリオとのダンスシーン

 なんか感動的なシーンに見えてそこまで胸に来るものがない。画的には素敵だったけどなんか残念だった。

 

~突っ込みどころ~

なんでわざわざ家族を殺さずに車で連れてきたんだ?

いつのまに主人公足治ったんだ?

人工知能はあんな不思議生命体を作れる技術と知能があるなら環境問題解決できないのか?

 

とりあえずぱっと見おおざっぱな映画で、あんまりどきどきするアクションシーンもす多くなく、かといって感動する場面があるわけでもなく、感情移入するキャラもいなく、「お、おう」という感じで終わっていた映画でした。

 

10点中...3点!!

 

オートマタ [DVD]

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スナッチャーズ・フィーバーー喰われた町ー

 

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豚の被り物が不気味に映ってるパッケージと「町が何かに浸食されていく」というキャッチフレーズに魅かれて借りてみた。

POVのパニックスリラー

あとジャンル的には一応SFらしい…

徐々に明らかになっていく住民の異様な雰囲気や行動が、理解はできないけどとにかく不気味で気持ち悪い。そうやって引き込まれていくうちにドン!とインパクトのあるシーンを挟まれたりして面白かった。序盤は。

後半はよくある王道的な流れでひっちゃかめっちゃかわいわいやったり、突っ込みどころもいっぱいあるけど、地下の倉庫?のシーンはすごいハラハラした。

とにかく最初の方はかなり引き込まれる映画だった。

 

 

~あらすじ~

映画とってたらなんか周りの人たちがおかしい。

 

・ストーリー・・・・★☆☆☆☆

・キャラクター・・・★★☆☆☆

・設定・・・・・・・★★★☆☆

・不気味さ・・・・・★★★★☆

 

~見所~

・様子のおかしい住民の不気味さ

・異様な雰囲気で引きつけてからのびっくりシーン

・ガソスタ店員のスマイル

・真っ暗空間で出現する口紅お化け

 

以下、感想、文句(ネタバレ)

まず文句。

なんか見ずらい!

POV形式ってことでリアリティを出そうとしてるのかもしれないけど、いちいち焦点ずらして 、前ボケ後ボケをぐだぐだとくどいくらいに多用してきて目が疲れるし、手振れも激しすぎてさらに目が疲れる。

もっと腹が立つのはPOVの中途半端さ。本当に手持ちカメラの映像で流してるところなんて序盤の方だけでそれも部分的で全体の量と比べてみればPOVになってるところなんて2割ぐらいしかないと思う。あとカメラを持って走って逃げるシーンとかではほぼ画面は真っ暗だったり、手振れで何も見えてなかったりで思わず手抜きかと思ったほど。

POVから伝わる臨場感や、ギミックなんかも全くない。同じPOV作品の、REC、ブレアウィッチプロジェクトヴィジットなんかと比べると本当にお粗末。なんでわざわざPOV要素を取り入れたのか謎。

以上。

 

でも物語の入り方はすごいよかった。

おかしくなった住人が皆顔を後ろに向けて棒立ちしてるのは不気味で面白かったし、ガソリンスタンドの挙動不審な友人や、トイレに出てきた双子とか、店員のニッコリスマイルとか(なんかよくわからないけどおかしい!)っていう気持ちの悪い描写をテンポよく挟んで、徐々に徐々に不安を煽って行くからすごい引き込まれた。

歯医者での様子がおかしい少女も(この子すでにやばいんじゃないの?)とか思わせておきながら「助けて、あの人パパじゃない」って衝撃のSOSをしてきて背筋がぞわっとしたし、その後のパパのニッコリスマイルもびっくりした。

悪魔の存在を意識させるような、夫がおかしくなったおばあさんの必死の演説と、それを聞いて仲間の一人がすでにおかしくなっている節があるんだと疑心暗鬼になったりするシーンはハラハラした。

ホテルのドアに謎の印がつけられてて、確実に周りには得体のしれないナニカがいて、たった数日の出来事にもかかわらず、そいつらに追い込まれていること意識させられたり、緊迫感もよかった。

ここまでは割と引き込まれた。

っていうかこの先はお酒飲んでたせいで一回寝ちゃった笑

銀行に入ったっところまでは覚えてるけど、気づいたらよくあるパワフルゾンビから逃げるような王道の流れになっててなんかもうどうでもよくなっちゃった。

それでも印象に残ってるシーンは地下室?的な真っ暗の倉庫で逃げ回るシーン。

位から携帯のカメラでフラッシュをたいて撮影して確認しながら進もうって事になって何度か写真を撮るんだけど、「奥のほうになにか写ってない?」「そんなことないよただの箱だよ」「いいからもっかい撮って」パシャリコ「ほらやっぱりただの箱だよ」「いいえ違うわお願いだからもう一回撮ってみて!」パシャリコ「なんだ、画像の表示が遅いぞ、壊れのたかな」「やっぱりおかしいわ!」(口紅女デデン!!!)「「ッファーーーーーー!!!!」みたいなシーンが怖かった。

 

いちいちカメラで撮らなくても携帯のライトで照らせば済むだろうがとか、いや携帯のカメラでフラッシュたいて写真撮ったからってそんな「キュィーーーン…バシュッ!!」みたいな音でねぇから!とかいろいろ突っ込みどころはあるけどまぁスルー。

 

とりあえずコレ絶対出てくるヤツだ!っていうお決まりのシーンなんだけどそこがバッチリ怖くてよかった。口紅女もイカれた口紅メイクが相まって怖い怖い。

そのシーンはよかった。だけどせっかく恐怖のボルテージが上がってるのに登場してすぐに別の仲間のシーンに変わっちゃってなんかテンポ悪かった。

豚の被り物した子供のシーンもちょっと不気味なだけでたいして面白くなかった。

 

オチはまぁ、気もよく終わって悪くなかった。

最後まで一緒に逃げ切った親友が実は乗っ取られてました。ってので暗転して

そこから序盤に出てきた友人とバスで再会した主人公もまた乗っ取られちゃってました。って気持ちよく終われててよかった。

それと作中でよく使われてた効果音もよかった。ラストシーンで主人公が笑うシーンでも鳴ってたけどあの「ヴッ!!」って音がまた不安を煽るというか気味の悪い感じがしてよかった。

 

という感じでそこそこに楽しめたけどこの映画は前半が見どころだね。

後半は勢いに任せて逆に失速したというか、王道なんだけど雑になった気がした。

豚マスクとか口紅女とかいろいろ不気味なキャラクターはいたんだからもうちょっと上手くまとめられた気がする。

 

ストーリーはほぼあってないようなもので、設定もよくわからんかった。(途中寝てたし)

「耳から菌が入っおかしくなる」とか作中のニュースで言ってたけど、それも政府が市民をパニックにさせないための嘘報道だってばあさんはいってたり、結局何が原因かもわからないし、おかしくなった人たちが何なのかもわからなかった。

作中では何回か「モンスター」って呼ばれてたけど。

そういえば映画のラストもたしかモンスターってロゴがデデーン!と出てきた気がする…

 

精神病とか人格障害とか悪魔とかいろいろ言ってたけど結局よくわからん。

後半あんなにワイワイやるなら、実は主人公サイドが精神病で街の住人は普通だったって落ちも匂わせたりしてもっと繊細に作りこんでくれても面白くなったと思う…。

それかせっかくだからもっと身近な人をおかしくなったような雰囲気を出して疑心秋にさせて恐怖感煽るとか、そこの駆け引きがあっても良かったと思う。

 

まぁとにかくよくわからんのである。

よくわからんけど、とにかく不気味な雰囲気や気持ちの悪さ。ハラハラとドキドキが伝わればいい映画って感じだった。

種類は違うけど、なんとなく残る後味の悪さというか、頭に残って離れない気持の悪さはブレアウィッチプロジェクトに似てる気がした。あれは前半ジリジリして最後のインパクトでドーン!って気持ち悪かったけど、スナッチャーズ・フィーバーは前半じっとり気持ち悪くて後半台無しって感じ。

とりあえず普通のSF?とはちょこっと毛色の違う雰囲気が楽しめる映画でした。

 

10点満点中…5点!

 

ファイトクラブ

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ブラッドピッドとエドワードノートンのダブル主人公。

ブラピ好きだから気になっていた映画。

見るまではボクシング映画かなんかだと思ってたんだけど全然違った。

男のロマンから現代社会へのアンチテーゼ、暴力、哲学、ブラックユーモアも詰まっていて、人生や生き方まで考えさせられるサイコでミステリーチックな映画だった。

 映像や演出もおしゃんだったしラストシーンの遊び心も面白い。

何よりブラッドピッドがかっこいい!!

そしてブラッドピッドの演じるタイラー・ダーデンのサイコ具合がたまらない。

とにかく伏線が多くてよくある設定だからわかる人なら半分くらい見たところで設定に気づいちゃうだろうけど、それでも楽しめるし、その設定はあくまでミステリー要素でしかなくて、それがわかったからってこの映画は終わりじゃないところがいい。

 

  • ストーリー・・・・★★★★★
  • キャラクター・・・★★★★★
  • 設定・・・・・・・★★★☆☆

 

~見所~

・伏線

・タイラーの迷言

・ファイト(暴力)

・エドワードノートンの一人ファイト

・ブラッドピッド演じるタイラーダーデンのイカレたサイコ具合

・ブラッドピッドの筋肉

 

以下、感想、考察(ネタバレ)

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